『燈台守』 Gardiens de phare
(1929年/フランス/82分/モノクロ/35mm/サイレント)東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
監督:ジャン・グレミヨン 出演:ジェニカ・アタナジウ、ガブリエル・フォンタン、ヴィタル・ジェイモン、ポール・フロメ

ブルターニュ地方の海沿いの小さな村に住む燈台守の父と息子は一ヶ月の間、女たちのもとを離れ、海の上での任務に就く。婚約者のいる息子イヴァンにはとくに別れがつらい。そのイヴァンが狂犬病を発症し、苦しみ始め、徐々に父親に対して攻撃的になっていく。海はどんどん荒れ始め、父は、息子の攻撃をかわしながら、遭難船を救うために灯をともさなければならない……。海、地上、男たち、女たち、光、闇、それらのコントラストが本作に宇宙的な広がりを与えている。脚本は『外人部隊』(1933年)『ミモザ館』(1934年)などで知られるジャック・フェデーが担当。

「グレミヨンは事後の映画作家である。不幸が起こった後、人間がどのようにそれを生きていくのかを描く。『燈台守』、『父帰らず』、そして『愛慾』でも殺人はほとんど見せられない。しかし『燈台守』において、息子の死後、扉を風が強くたたき続けている間、父親は虚空を見つめ、その横顔からは錯乱した様子が伺える。扉を打つ風の音が繰り返され、非常に現代的な編集によって父親の顔がクローズアップになる。誰もいない目の前を見つめ、今さっき犯してしまった自分の行動に慄いている。」(ステファン・ドゥロルム、「カイエ・デュ・シネマ 693号」)

★上映前、廣瀬純による作品紹介あり

 

ジャン・グレミヨン特集

ジャン・ルノワールやルネ・クレールら同時代の映画監督と比べてあまりその名前が知られることなく、「呪われた映画作家」とさえよばれてきたジャン・グレミヨンは、しかしフランス映画史上、最も偉大で、最も詩的な監督のひとりである。サイレントからトーキーへの移行期に映画を撮り始めたグレミヨン作品には、その両方の最良の形が見出せ、またドキュメンタリー、実験映画、劇映画の領域にまたがり「感情のレアリズム」と自ら定義する独自の「レアリズム」を生み出し、人間関係の意味、人間と自然(水、岩、波、土)の結びつきについて探求してきた。2011年のローザンヌ大学、2012 年ボローニャ復元映画祭、2013年6月に開催されたエジンバラ映画祭、東京フィルメックスでの特集、そして「カイエ・デュ・シネマ」での特集に引き続き、時を経てグレミヨンの世界の全貌が、今ようやく発見される。

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19:00 - 20:30
一般:1200円、学生800円、京都シネマ会員/クラブ・フランス会員500円、シニア1000円
075-353-4723


京都シネマ
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