David Bosc © Wiktoria Bosc

ダヴィッド・ボスクは小説家でありエッセイスト。スタンダール助成金を得て、日本に一ヶ月間滞在しています。彼が愛し賞賛する作家や作品を紹介し、

また彼の小説『澄んだ泉(仮)』の抜粋を朗読しながら、絵画をめぐって書くことについて話します。

この作品は画家クールベの最晩年の4年間を物語るものです。入場無料 逐次通訳付

 

ダヴイッド・ボスク

1973年カルカソンヌ生まれ。数々の小説やエッセイを執筆し
ています。他に翻訳も手がけています(ジョナサン・スウィフトの書簡集、ディー
ノ・カンパーナの詩集)。
彼の小説『澄んだ泉(仮)』は、ゴンクール賞、十二月文学賞、ヴァレリー・ラル
ボー賞、ジャン・ジオノ大賞に選出されました。2013年にはマルセル・エメ賞を受
賞し、2014年にはチード・モニエ賞とスイス連邦文学賞を得ています。『死して馬
に飛び乗る(仮)』は2016年にミシェル・ダンタン賞を受賞しています。

 

la_claire_fontaine『澄んだ泉(仮)』

1873年7月22日、国境を越えたばかりのこの男は、すでに死んだ男だ。警察も彼につ
いて何も知らない。不吉な前兆に死に、脅しに死に、術策に死んだ男。死んだ男は8
日前にセックスをしようとしていた。
スイスに亡命中のギュスターヴ・クールベは人生の最大の喜びに身を任せた。彼は
絵を描き、結婚式を挙げ、川や湖で沐浴をした。都市の小径を解きほぐすこの身体
の自由、水や谷間、森をゆっくりと切り開いてゆく大きな腹の自由には驚嘆するば
かりである。
絵を描くとき、クールベは自分の顔を、目を、唇を、鼻を、両手を自然の中にうず
める。そこで分別を失う危険を冒しても。目がくらみ、舞い上がり、自分から引き
離されてしまう危険を冒しても。
レマン湖のほとりのラ=トゥール=ド=ペで過ごした年月の輝きには、どんな秘密
があるのか? この4年間を専門家は通常、2つの苦難の時期に分ける。クールベが
ろくな作品を描かなかった時期と、痛飲に明け暮れた時期である。
パリ・コミューンの炎のさなかに感得されたその秘密とは、自身を治める人間が持
つ伝染性の歓喜である。
この作品は2014年にスイス7大文学賞の一つを受賞。2013年にはマルセル・エメ賞及
びチード・モニエ賞を受賞している。

第11回「読書の秋」に招聘する作者の原作を アンスティチュ・フランセ日本のデジタル図書館 Culturethèque でぜひご覧ください。 アンスティチュ・フランセ、アリアンス・フランセーズ、日仏会館のメンバーおよびメディアテーク会員の方は、無料でご利用になれます。

http://www.culturetheque.com/EXPLOITATION/jpn/feuilles-dautomne-2018.aspx?_lg=ja-JP

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  • 2018-10-27 - 2018-10-27
  • 16:00 - 17:30
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