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トランスメディアな展開が広がる漫画の今後

漫画に情熱を注ぐバスティアンミカエル、そしてバラックの 3人組は、日本の漫画とフランスのバンド・デシネを融合させた「フランス風の漫画」を『ラストマン』で表現しました。アングレーム国際漫画祭でも大注目された彼らに、日本の漫画とフランスのバンド・デシネにおける視覚表現の違いや、制作手順の違い、また、トランスメディアな展開などについて、板橋しゅうほう(漫画家、京都精華大学教授)を迎え、語っていただきます!

 

 

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バスティアン・ヴィヴェス最新作『ラストマン(LASTMAN)』について

2012年、バスティアン・ヴィヴェスは、友人のバラックミカエル・サランヴィルと共にパリにアトリエを設けました。フランスのバンド・デシネのみではなく、日本の漫画、さらにはアニメ映画やビデオゲームにも影響を受けた人は、『ラストマン』を生み出しました。バンド・デシネのスタイルと日本の漫画の技法を巧みにミックスし、アクションと冒険、ユーモアを掛け合わせた初めての「少年漫画」がフランスで生まれたのです。現在、8巻まで発売されているシリーズはフランスでも注目を集め、2015年のアングレーム国際漫画祭においては最優秀シリーズ作品に授与されるフォーヴ賞を受賞しています。この年の同漫画祭では、『LASTMAN(ラストマン)の世界』と称して、同作品の世界を展示、作品に纏わるビデオゲームやアニメーション作品も展示されました。

ストーリー……『ラストマン』は、12歳になるアドリアン・ヴェルバ少年の冒険物語です。アドリアンの夢は一年に一度しか開催されない、武道の大会に参加すること、その彼はパートナーの予期せぬ離脱によって、女性と金につられて旅をする孤独な騎士、リシャール・アルダナと出会います。アドリアンの美しい母親と共に、愛と裏切りの絡み合う、アップテンポな冒険が繰り広げられるのです。

 

『ラストマン』のクリエーター:

Bastien Vivès - Paris - 11/2012 © Mathieu Zazzo

 

バスティアン・ヴィヴェス

1984年生まれ。デビュー直後からフランス、ひいては世界で、同世代の漫画家の中でも特出した存在として頭角を現した。小学館集英社プロダクションより出版された『塩素の味』は、2009年のアングレーム国際漫画祭で新人賞を受賞、日本国内では2013年の第17回文化庁メディア芸術祭でも新人賞を受賞しています。また、小学館集英社プロダクションにより出版された『ポリーナ』も大成功を収め、舞踏家のアンジュラン・プレルジョカージュが、同作品の映画の撮影を進めています(2016年11月フランス公開)

 

 

Michaël Sanlaville - Paris - 11/2012 © Mathieu Zazzo

 

ミカエル・サンラヴィル

1982年生まれ。ゴブラン映像学校で、アニメーションを学んだ後、バスティアン・ヴィヴェスとの共作、『ハリウッド・ジャンHollywood Jan』でBD作家としてデビューした彼は、特にアメリカのポピュラー映画や、『北斗の拳』などの漫画に強い影響を受けています。また彼は、カスターマン出版の2007年に開始された革新的なシリーズ、KSTRの主要作家となっています。その力強いデッサンは『ラストマン』を少年漫画に近接したハイブリッド作品にする決定打となっています。

 

 

Balak - Paris - 11/2012 © Mathieu Zazzo

 

バラック

同じく「ゴブラン映像学校卒業生世代」の一人で、アジアンおアニメや漫画を見て育ちました。アニメ制作会社でストーリーボードの製作者として活躍し、「ターボ・メディア」という概念を広げながらスクリーン上での漫画に関する考察を展開しています。テレビ会社カナル・プリュスで、ショートアニメシリーズ『レ・カソスLes Kassos』(“社会不適合者”の意)の制作に携わる一方、バンド・デシネのストーリーボードも描いています。

 

 

 

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  • 2016-10-16 - 2016-10-16
  • 14:00 - 16:00
  • 入場無料・但し、ミュージアムの入場料は別途必要(大人800円、中学生300円、小学生100円)
  • 075-254-7414
  • 京都国際マンガミュージアム 
    中京区烏丸通御池上ル 京都

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