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日本でもヨーロッパでも、美食は、その利己的な悦びを、たくさんの人と分かち合うものです。こちらの食欲が奪われてしまうほど不快な作法の人が自分の目の前にいるよりも、きちんと礼儀を身につけた客人がいる方がうれしいものです。
日本人の洗練された食へのこだわりは、世界でも知られるところですので、
本書などは全く無用ではないかとも思われますが、それでも、ほんの少しでも愉しんでいただけるところがあれば幸いです。著者のポール•イテス先生も、この小さな手引書が日本語で出版されることを、とてもとても、誇りに思っています。
フィリップ•デュマ

 

 

 

 

 

 

絵と文 
フィリップ•デュマ (Philippe Dumas)
1940年、ナチスによるフランス占領下の疎開地で、エルメス家の別荘があったコートダジュールのカンヌに生まれる。戦後すぐにパリに戻り、幼年期からパリで教育を受けるが、デッサンにおける描写力は画家バルチュスにも認められる。パリ国立美術学校(エコル•デ•ボザール)を卒業。またその生まれに忠実に、馬術の名手で、ルイ15世により設立された名門ソミュール国立乗馬学校でカドル•ノワール級の乗馬技術を習得する。1976年に、絵と文をひとりで書く童話作家として、子どものための最初の絵本「ローラの冒険シリーズ」を発表。以後、著名な作家のリクエストにより、あるいは名著の挿絵画家として、数多くの作品を世に送り出している。1987年にはパリ市から、児童文学の分野で出版した一連の作品に対してグランプリを受賞する。子どものための本ばかりでなく、1972年には父ロベール•デュマのニックネームであるロビデュROBIDUを主人公に、奇想天外な長編の大冒険ストーリーをアシェット社から出版。1960年代に、現代の車社会への大いなる皮肉と、人間がネズミに支配される恐怖をモノクロでユーモラスに表現した「ネズミLes Rats」を出版したがほとんど売れなかった。2015年、ネズミは、長男エミールとの共同製作により、15分の短編映画へと生まれ変わり、2016年エミールはこの映像作品でヤンググランプリを受賞する。

構成+翻訳
unnamed久保木泰夫(くぼき•やすお Yasuo Kuboki)
ポワチエ大学でラテン語•古典ギリシャ語•中世美術史と同時に音楽学セクションで古楽とヴィオラダガンバを専攻後、1976年パリ第三大学音声学研究所卒業(仏語圏比較方言+パリ語研究)日本での主な仕事として、国際交流基金と外務省IHCSAの仏語技術通訳タクスフォースAとなり、政府招待作家やジャーナリストの講演会通訳から来日音楽家の通訳(仏•独語)などを担当。マグナムフォト東京支社のエージェントとして世界の写真家をマネジメントする。1983年から10年間、パルコの広告•CMから展覧会•演奏会•映画上映•出版など制作ディレクション&プロデュースを行う。パルコ出版ではエディトリアルディレクターとして1994年刊パリ•モードの女帝「スキャパレッリ」の構成•翻訳(ADC賞)を手掛ける。また、新日鐵文化財団の紀尾井ホール設立からこけら落としまでの広報宣伝やロゴマークなどをディレクション。さらに、エルメス銀座の建設からオープニングまで芸術顧問として常勤し、完成の2001年メゾンエルメスと命名するなど運営上の多彩なコンセプトを提案する。欧州在住30年の旅人で、18世紀を愛する愛書家。

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  • 2017-09-30 - 2017-09-30
  • 14:00 - 15:00
  • 無料
  • 0352062500
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
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