POINT ET LIGNE SUR PLAN

小池浩央 & 南條俊輔フランソワ

 

線は動く点の軌跡であり、それは運動から生まれる。

南條俊輔フランソワと小池浩央は、ともに日本とフランスという二つの場所に深く関わり合い、頻繁に往復をしながら制作を続けている。フーコーやデリダといった思想家たちから影響を受けつつも、あくまで「今」という瞬間の「ここ」でしかない場所に正面から対峙して、それぞれのメディアを駆使しながら、実際に「動くこと」(作ること)によってコンセプトを練り上げてきた。

今回のコラボレーションでは、別々の文化圏で育ち、教育を受けた二人が、その作家活動の中で次第に接近し、共鳴することになっていった軌跡が垣間見えるかもしれない。とはいえ、それぞれまったく異なったアプローチをとる二人の作家がはじめて合作をするとき、新たな緊張が生まれることは、いわば必然であろう。

 

南條俊輔フランソワ

南條俊輔フランソワは東京都に生まれ、現在は日本とフランスで活動中。

作家が興味を惹かれる二つのコンセプトのうちの一つは、まず、哲学者やアナーキストたちによって提議された「ユートピア」の概念であり、その拡張として、ミシェル・フーコー、また都市計画者たちによって定義された「ヘテロトピア」の概念である。

そして、もう一つは「記憶」である。そこでは、われわれ人間が持っている「記憶」についてだけではなく、われわれを取り巻く環境、つまり様々なモノたちや建築物についての「記憶」も含まれる。

南條俊輔フランソワは、様々な国や文化圏におけるサイトスペシフィックなプロジェクト、例えば、東京での“No Man’s Land”展、ドイツでの“Japan Shifted”展、そしてフィリピンのベンガブ美術館での“Performance Jam”展などに参加してきた。同時に、世界中の様々なギャラリー(ニューヨーク、北京、上海、バンコク、東京など)でも多くの展示を行っている。

現在は、彫刻、音、マルチメディアなど様々な要素が複雑に絡み合ったインスタレーションによって、観る者に、場所性についての質問を投げかける、インタラクティブな制作を続けている。

 

小池浩央

小池浩央は群馬県に生まれ、現在は日本とエストニアで活動中。

小池にとって写真は、単なるイメージや記録ではなく、その瞬間が存在したということ、そしてその瞬間に感じることのできる親密さを経験するための方法である。それゆえ写真家はけっして単なる傍観者や観客であってはならず、自らが経験した物事のみを掛け金に、生きていることを感じることが必要である。

つかの間きらめくミューズは、絶え間なく、否応無しに写真家を魅了する。彼は不可能な関係を探し求めて、強迫観念的に写真を撮り続ける。夢中になり、我を忘れ、そのとき写真は、彼女を見つめ、その存在を証明するためのエクスキューズとなる。

小池の作品は、風景とポートレートが混ざり合った自叙伝的な日記の形式をとっている。彼は、触知できないもの、過ぎ去る時間、そして儚さを写真に撮る。そのイメージは、放浪とノスタルジーの間に、視覚的な散文のように現れる。

 

展示会期:5月17日〜6月5日

オープニングレセプション:5月16日 18時〜21時

展示会場:Shintaro Akatsu Gallery

05
17
06
05
  • 2013/05/17 - 2013/06/05
  • 12:00 - 19:00
  • Shintaro Akatsu Gallery
    港区 東京都港区南麻布5-10-37 Esq広尾2F