インスタレーション
BCL 「Oubiopo」
「Oubiopo(潜在的生物学工房)」は実用的な実験室のモデルであり、アーティスティックなアイデアモデルでもあります。
21世紀、科学としての生物学は、自然界の生物の観察と分類という観測的視点により、一般に分析的なものであると考えられてきました。
そして、DNAの二重螺旋構造が発見された時、生物学は情報科学へ移行していく事を意味しました。それは現在の遺伝子情報の解析や編集の技術へと至ります。
近年の合成生物学は、新たな生命を組立てて創るなどの生物学へのエンジニア的アプローチで、生命の起源をつきとめることを目指していると言えるでしょう。
プロジェクトOubiopoは生物学の限界を超え、潜在的な可能性を追求することを目的としています。本展では、「バイオラボ」と「日本の屋台」というスタイルとの融合を目指し移動可能な実験室が展開されます。生物学実験室を作る必要なツールと基本的な器材を持つ”屋台実験室”として、キッチンバイオ、DIYバイオとDIWO(Do It With Others)バイオの精神を結合していきます。
そして誰もが参加・共有できる場であり、生命への探求を ”楽しく” 実践できる場となるでしょう。
Oubiopoは造語であり、そのもとになっているのはフランス語の Oulipo > Ouvroir de littérature potentielle(潜在的文学工房)という1960年に数学者のフランソワ・ル・リヨネー (François Le Lionnais)を発起人として設立された文学グループの名称です。BCLはその”Oulipo”の概念をもとにプロジェクトを Ouvroir de biologie potentielle(潜在的生物学工房 )> Oubiopo と名付け、ツールとバイオメディアへの制約と規制について考察します。
Oubiopo は創造と発見を生み出す空間としてデザインされた、自給自足の自己充足的なスペースであり、芸術と生物学とのより広い関わりのための出発点です。
展示期間中、アーティストとゲスト科学者による一連のワークショップも予定されています。
BCLは、サイエンス、アート、デザインの領域を超えたコラボレーションを行うアーティスティック・リサーチ・フレームワーク。 2004年にGeorg Tremmel(ゲオアグ・トレメル)と福原志保によってイギリスにて立ち上げられた。2007年に活動拠点を東京に移し、InterCommunication Center(ICC)やアルスエレクトロニカなどの国内外のミュージアムやギャラリーでの展示やコラボレーションを行う。2014年に吉岡裕記とPhilipp Boeing が参加。特に、バイオテクノロジーの発展が与える社会へのインパクトや、水環境問題について焦点を当てている。また、それらにクリティカルに介し、閉ざされたテクノロジーを人々に開いていくことをミッションとしている。
2月13日(金)-3月22日(日)
月曜~金曜11時~20時、土曜11時~19時、日曜11時~18時
※3月21日(祝・土)は休館
会場:アンスティチュ・フランセ東京|庭
3月14日(土)・15日(日)14時~16時 ワークショップあり(参加無料・要予約。定員10名)
ご予約方法: 参加ご希望日、お名前、電話番号、メールアドレスを明記し、下記アドレスにメールにてお申し込みください。
※14日・15日いずれの回も定員に達しました。
tokyo.reservation@institutfrancais.jp
- 2015-02-13 - 2015-03-22
- - 入場無料
- - 03-5206-2500
-
アンスティチュ・フランセ東京
新宿区市谷船河原町15 東京都
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