DC_BB1

 サンドラ・ロジエと千葉雅也による対談

「テレビドラマ」

テレビドラマは、大衆映画がそうであったように、高い教養を必要としない娯楽のひとつと考えられることもありますが、研究対象として扱われることも多くなりました。それは、高い美意識でカルト的人気を得た『ザ・ホワイトハウス』や『THE WIRE/ザ・ワイヤー』といった作品があったからだけではなく、テレビドラマが、私たちの世界の見方を変化させ、もうひとつのリアリティーを提案し、平凡な人間の存在に登場人物を統合させ、倫理的、科学的な実験を試みているからです。
倫理が個人の判断に委ねられた規則に帰してしまう世界において、人間性や共同体を発展させるにはどうしたらよいでしょうか。さまざまな状況や特別な人々を理解することは、テレビドラマの観客の感情やモラルの教育を促し、変化を与えます。
平等主義の実践によって生まれる新しいリアリティーは、今見出されようとしています。

サンドラ・ロジエ
パリ第1大学(パンテオン・ソルボンヌ)哲学教授。フランス大学学院(Institut Universitaire de France)のシニアメンバー、現在、フランス国立科学研究センター・人文社会科学研究所の副科学ディレクター。ジョンズ・ホプキンス大学(アメリカ)客員教授、そのほか世界中の大学で講師を務める。日本では慶応義塾大学、東京大学、同志社大学、京都大学で講義を行った。

パリ第1大学にて現代哲学センターを運営する。専門は現代哲学:日常言語(ヴィトゲンシュタイン、オースティン)、英語圏の倫理哲学、ジャンル研究とポップ・カルチャー。
2000年代以降、ヴィトゲンシュタイン、オースティン、スタンリー・カヴェルらの哲学で扱われた日常における倫理哲学や政治哲学の研究を行う。

著書・共著、監修書籍が多数ある。また、カヴェルの翻訳も複数手がけ、分野横断的な研究領域を紹介した。ケアの倫理学、アメリカ超絶主義、道徳的完成主義、倫理学と文学との関係性やテレビドラマについての考察などである。
社会学者アルベール・オジアンとともに、ラディカル・デモクラシーについての共著を2冊刊行。リベラシオン誌にも寄稿している。
http://www.liberation.fr/auteur/6377-sandra-laugier

 

千葉雅也

1978年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。専門は哲学・表象文化 論。著書に『動きすぎてはいけない―ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』(河出書房新社、2013年)、『別のしかたで―ツイッ ター哲学』(河出書房新社、2014年)ほか。

TwitterID: @masayachiba

03
17
  • 2015-03-17 - 2015-03-17
  • 19:00 - 21:00
  • 使用言語:日本語・フランス語。同時通訳付
  • 入場料:一般1,000円、会員・学生500円
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパスイマージュ
    東京都 新宿区市谷船河原町15

<< 第4回「デジタル・ショック」 - リアルのファクトリー