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柄沢祐輔設計による住宅「S-House」にて(左からデューリング、清水、柄沢)

日仏対談シリーズ「ル・ラボ」 vol.15
「哲学者の家:建築と現代思想」
登壇者:エリー・デューリング(哲学者)×柄沢祐輔(建築家)×清水高志(哲学者)

 

日時:2017年4月13日(木)19時~21時
会場:アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
入場料:一般1,000円、学生・会員無料
※開演1時間前よりチケットおよび整理券を配布いたします。
同時通訳付

 

哲学の1級教員資格を持ち、フランス国立高等師範学校を卒業し、現在、フランス国立高等美術学校(ボザール)で教鞭を執る哲学者エリー・デューリングと、アルゴリズムを用いた建築を研究する若き日本人建築家・柄沢祐輔、フランスの科学哲学者ミッシェル・セールの専門家・清水高志による、建築と哲学をめぐる鼎談。

「哲学者にとって家は、しばしば瞑想の純粋な対象であった(ハイデガーは『建てる、住まう、考える』を書いた)。
とはいっても、哲学者は家に住まい、そこで生活し、家を強く求め、そこからプロジェクトが生まれるに至る。こうして建築家が登場し、思考の場所を作る。しかしながら建築は、それ自体がすでに行為としての思考であるから、この結合によって新しいアイディアが、あるいはライプニッツが「思考遊び(Drôle des Pensée)」と呼ぶところのものが生まれるのを待たねばならない。

柄沢祐輔による「S-House」は、哲学者の清水高志のためにデザインされた住宅だ。埼玉の閑静な町に突如現れたUFOのような、この建築の「ハイパー・オブジェクト」を巡って、柄沢と清水と哲学者エリー・デューリングによる最初の鼎談が2016年に行われた。企画を実現したのは「10+1」誌である(http://10plus1.jp/monthly/2016/08/pickup-01.php)。柄沢、清水、デューリング、それぞれが扱う研究をふまえながら、2016年の議論が今日新たな地平に向かって展開する。思考の強度が高まる場所、三人の思考の収斂点や結び目を、時間をかけて確認することを期待しながら。」(エリー・デューリング)

 

エリー・デューリング(Elie During)
パリ第10ナンテール大学の講師として現代フランス哲学について教鞭を執る。フランス大学研究院のジュニアメンバー。時空間の概念についての研究は、メタフィジック、科学哲学、美学の交差点を扱っている。フランス大学出版局(PUF)より、ベルグソンについての著書を多数出版。物理学者ポール・ランジュヴァンについての書籍『Le Paradoxe des jumeaux : deux conférences sur la relativité』(PUF)も近頃再版された。他に、ムービング・イメージについての研究書『Faux raccords : la coexistence des images』(Actes Sud、2010年)がある。近日出版予定として、「軌道の条件」をテーマに扱った『Temps flottants』がある。また同テーマについては、「アールプレス2」誌(2017年2月~4月号掲載)や「Esprit」誌(2017年3月)に論考を寄稿している。


清水高志(しみずたかし)

哲学者、東洋大学准教授。ミシェル・セールの思想を掘り下げ、セールの影響の強いピエール・レヴィ、ブリュノ・ラトゥールらの動向も意識しつつ、ポスト・ポスト構造主義の理論を独自に模索する。主な著書に『ミシェル・セール――普遍学からアクター・ネットワークまで』(白水社、二〇一三年)、主な訳書に『作家、学者、哲学者は世界を旅する』(水声社、二〇一六年)。現在、ハーマン、メイヤスーらの二一世紀哲学と、ヴィヴェイロス、ストラザーン、デスコラら現代人類学の新動向を論じた新刊を準備しつつある。

 

柄沢祐輔(からさわ・ゆうすけ)
1976年生まれ。建築家。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科建築・都市デザインコース修了。文化庁派遣芸術家在外研修制度にてMVRDV(オランダ)在籍,坂茂建築設計勤務を経て、2006年に柄沢祐輔建築設計事務所設立。情報論的、あるいはアルゴリズム的な思考を軸とした建築・都市空間の探求を行なっており,『10+1』48号「アルゴリズム的思考と建築」特集(INAX出版、2007)では責任編集者として編集を行なった。主な著作に『アーキテクチャとクラウド──情報による空間の変容』(共著、Millegraph、2010)、『設計の設計<建築・空間・情報>設計の方法』(共著、LIXIL出版、2011)等。

 

「ル・ラボ」とは?
2015年春より始まった、対談シリーズ「ル・ラボ」。日本とフランスのアーティストや思想家、批評家等を迎え、日本とフランスにおける現代の課題について考察し、創造的交流の創出を目指す試みです。ビジュアルアート、舞台芸術、映画や批評等、学際的な幅広いジャンルにおける現代のクリエーションについて議論し、新たな複数の視点を提案します。
また「ル・ラボ」に登壇するフランス人アーティストや思想家たちの、日本との出会いの足跡をアーカイブとして残していきます。

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  • 2017-04-13 - 2017-04-13
  • 19:00 - 21:00
  • 03-5206-2500(アンスティチュ・フランセ東京)
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
    15 新宿区市谷船河原町 東京都