© Nicolas Clauss

REGARDS D’AILLEURS SUR LE JAPON

他所からの日本への眼差し

 

2013年2月20日(水)19時~20時半
【会場】アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
【ゲスト】河合政之(ヴィデオ・アーティスト)/マーク・メルシエ(レ・ザンスタン・ビデオ共同創設者、アーティスティック・ディレクター)
入場無料

ご予約:03-5206-2500(アンスティチュ・フランセ東京)
・受付は先着順となります。各回定員に達し次第、予約受付終了といたします。
・開始時刻を過ぎますと、ご入場いただけない場合がございますのでご注意ください。
・座席は自由席です。

西欧の美術史には、日本や日本文化への言及が多く見られます。実際の日本人によって生きられている現実からは程遠いインスピレーションの源。しかしそれは、アーティストたちに自身の持つ文化的な規範からずれていくことや、想像上の新しい領域を探検することを可能にします。ビデオ・アートのアーティストたちもまた、例外ではありません。

上映予定作品:

20万の亡霊』ジャン=ガブリエル・ペリオ(フランス、2007年)10min

ヒロシマ、1914-2006


Gengo (言語)』パスカル・リエーヴル、ステファン・サラザン 2009年、4min 41sec

パスカル・リエーヴルとステファン・サラザンはマルティン・ハイデッガーの『言葉への途上』から引用したテキストをポップな歌に変容させました。このテキストで問われているのは「パロール」という言葉の日本語への翻訳の不可能性であり、一青窈のヒット曲に合わせ、マシコタツロウによる歌詞の変わりに、佐野未帆の声が、ハイデッガーのテキストをのせていきます。

 

耳がきゅっとなる』アマンダ・ベランタラ(アメリカ、2009年)20min

この作品は、山口県の住民に、日々耳にする音を記録する音の日記(サウンドダイアリー)をつけてもらい、そこから着想を得た音、映像を用いた、私達を取り囲む音の共同探索となっています。「目に見えないもの」を描く魅力的なポートレイトのような作品です。

 

アトム・ジャポン2002』 フランソワR(フランス、2004年)14min 21sec

大阪の、都市的な出来事を相関関係に置くことで、活動的で騒音の激しい都市における、限りない偶然の一致の潜在性を探る作品。延々と続くイメージの連鎖は、私達に、観客として、あるいは覗きの役目を与え、巻き込んで行きます。違いを作り出し、すでに書かれた筋書きを断ち切る事ができるのは、自らの行動のコントロールを失う者だけなのです。

 

漂う体』ロベール・カエン(フランス、1997年)13min

時を止められた日本、土地に帰属し働く男と女、温泉の中で浮かぶ身体…。夏目漱石の『草枕』の主人公から着想を得た、画家である登場人物の目から見た物語であり、この画家の言葉がこれらのイメージへの自由な注解を形成し、私達はかりそめの平穏を求める旅を彼と共にするのです。
旅人は「とかくに人の世は住みにくい」という漱石の言葉を理解する者であり、描くという行為をもって苦しみを忘れるため、描く対象を現実の中で探す人なのです。


Momoshima or the possibility of an island (百島、もしくは一つの島の可能性)』Fact (スイス、2012年)13min 45sec

このプロジェクトは小さな百島への旅を提案します。映画のロケハンのように、固定プランでとらえられた映像を通して島を発見し、ボイスオーバーの声が映像には現れない人物の行動を語ります。
この映像のコレクションは、地理的な位置を持たず、現代社会からは離れているように見える、この島に特有めいた謎の風景を見せてくれます。島は、閉ざされた世界、建造物のガラクタとオブジェに埋もれながらも、水に囲まれた植物の王国のようです。
語り手によるテキストは、フィクション映画からの引用であり、まず最初に神秘的な島と未開の地の開拓の歴史を語ります。ビデオの冒頭では、語り手は、撮影予定の映画があるかのように、場所に名前を付けていきます。その映画の脚本を読むように、登場人物の行動を語り、自らに本物のオランウータンのポートレイトを作成するという任務を与えます。しかし、この語り手は、SF世界や想像上の場所に近い、このユートピア的な島を細部まで考察する、彷徨と探査についての彼の思索を私達に共有させるため、途中でその役割から離れるのです。

 

『万葉/東京』からの抜粋 河合政之 (2004、4min.)
これは、万葉の時空間から逆照射された、情報時代の東京の都市風景における「時」についてのビデオ作品である。古代と現代という二つの「時」の交通によって、歴史の間隙があらわれる。

 

『IN/OUT』 河合政之 (2009、8min.)
パリ郊外にあるル・コルビュジエの有名な建築、サヴォワ邸の大きなガラスを通して撮影された映像。「内と外」のテーマが、シンプルでゆっくりとした映像の動きの中にさまざまなかたちで密かにあらわれる。

 

 

02
20
  • 2013-02-20 - 2013-02-20
  • 19:00 - 20:30
  • 入場無料
  • 03-5206-2500(アンスティチュ・フランセ東京)
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
    15 新宿区市谷船河原町 東京都

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