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第2回「哲学の夕べ」-哲学とイメージ-

日時:5月31日(土)14時~23時半
会場:アンスティチュ・フランセ東京

今年、第2回を迎える『哲学の夕べ』は、アートと哲学、イメージと思考、感覚と考察の対話を通し、様々な角度から哲学にアプローチする一夜です。今年の中心となるテーマは「イメージ」。「イメージ」とは、画像、映像、または私たちが心の中に抱く印象など、様々な意味を含む言葉です。また、私たちの現実世界とも密接に関わっています。私たちと「イメージ」の関係、そしてその存在の意味とは…?
『哲学の夕べ』では、アンスティチュ・フランセ東京の館内各所で行われる講演会、アトリエ、映画上映、パフォーマンスを、回遊するようにお楽しみいただけます。中庭のフレンチレストラン「ラ・ブラスリー」では、インスタレーション・パフォーマンスとして、哲学者たちの饗宴が開かれます。その様子から、プラトンの『饗宴』を連想する方もいるかもしれません。哲学者たちに交じってひと休みしたり、ユニークな創作メニューを味わったり、意見を交わす場としてもご利用いただけます。また、身体と映像の関係性を追求しているユニットoff-Nibroll による野外ダンスパフォーマンスでは、ダンスと映像、そして言葉がスリリングかつ大胆に交錯する作品をお楽しみください。
その他、多様なジャンルの企画を盛りだくさんでお届けする、哲学をめぐるイベント。普段、哲学に触れる機会が少ない方も、少し見る目が変わるきっかけになるかも知れません。このイベントで哲学を(再)発見しましょう!


プログラム

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上映会/講演会
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© DR

『ロベルトは今夜』上映&対談(廣瀬純×立木康介)
14:00~ / エスパス・イマージュ

「活人画」とは何か。人間とイメージというこの二重の生成変化とは何なのか。政治の美化、あるいは肉体の神学か。それはむしろ両者なのだろうか。廣瀬純と、精神分析家の立木康介がこの問題をめぐり対談を行います。対談前には画家バルテュスの実兄、ピエール・クロソウスキー(小説家、哲学者)と共同で製作された、ピエール・ズッカ監督の代表作『ロベルトは今夜』の上映を行います。

『ロベルトは今夜』(1977年/監督:ピエール・ズッカ
フランス語・字幕なし
ロベルトは、第二次大戦中、ローマのスイス赤十字で特志看護婦として前線に赴いた。その後、急進党の婦人代議士を経て、60歳をすぎた大ブルジョワジーの神学教授オクターヴと結婚する。しかし夫のオクターヴはヴィットーリォという男と組み、ロベルトを堕落させる…。妻を他の男に与えそれを覗き見る老紳士と、反逆を企てるその妻の姿を描く。

廣瀬純
1971年、東京生まれ。映画批評、現代思想。龍谷大学経営学部准教授。アンスティチュ・フランセ東京にて映画の授業を担当。

立木康介
精神分析家、京都大学人文科学研究所准教授。

 

© Gwen Rouvillois

建設現場-都市のイメージ-(グウェン・ルヴィロワ)
17:30~18:15 / エスパス・イマージュ

都市空間に出現する建設現場、つまり都市の“谷間”が街の景観にどのような変化をもたらすのか。その未完の状態は、私たちが知覚する都市景観にいかなる影響を与えるのか。建設現場の混沌が、そこで働く労働者の姿をどのように演劇化するのか。その不安定性と建設計画の間に生まれる空間性と時間性の解釈を通し、建設現場は社会のある構築を私たちに見せてくれる。本講演ではアーティスト自身が何年もかけて撮影した建設現場を舞台とした映像作品の上映も行います。
ギャラリーにて関連映像インスタレーションも行います。

グウェン・ルヴィロワ
1968年生まれのアーティスト。パリ国立高等美術学校(ボザール)で学ぶ。2004年から、パリ・ラ・ヴィレット国立建築大学にて教鞭をとり、フランス国内外でも展示を行っている。コンセプチュアルアーティストであり画家でもあるルヴィロワは、二次元表現を好み、オブジェとインスタレーションを用いて共に生きる方法について探求している。

 

終わりなき芸術(星野太×桑田光平)
18:30~19:50 / エスパス・イマージュ

近代の芸術は、その成立以来、哲学や文学とたえず高度な緊張関係を保ちながら展開されてきた。しかし、芸術が市場(経済)の力学にますます深く巻き込まれ、科学技術や情報社会が提示する圧倒的な「データ」の力によって変容しつつある現在、そして近い将来、芸術はいかなる姿のもとに立ち現れてくるのだろうか。この対談では、20世紀のフランスを中心とする近過去の芸術実践と、それと時代を同じくする詩や哲学との関わりを見据えながら、これから来たるべき「終わりなき芸術」の姿について対話を行なう。
特別出演:エリィ・デュラン(パリ西ナンテール大学、フランス大学研究院)

星野太
1983年生まれ。専攻は美学、表象文化論。東京大学大学院総合文化研究科特任助教。

桑田光平
1974年生まれ。日本のフランス文学者。専門はフランス文学、フランス美術論。東京大学総合文化研究科准教授。文学博士(パリ第4大学、2009年)。

 

© DR

欧米におけるCM表現様式の変動(カルドネル・シルヴァン)
20:00~20:50 / エスパス・イマージュ

テレビCMはそもそも、ある商品が何らかの問題を解決してくれる証拠を描き出す《説得・納得》と同時に、社会で共有されているステレオタイプや《ライフスタイル》のイメージに商品を結びつける《同一化・投影》の形を基本とした。しかし90年代からその定型を失い、メディアが作り出し、広げた独特の価値観によって、広告メッセージが新しいメカニズムに応じるようになった。ウンベルト・エーコが考える《モダン/ポストモダン》の対比を用いて、欧米社会における広告メッセージの新しいメカニズムの分析を試みたい。

シルヴァン・カルドネル
龍谷大学、国際文化学部教授

 

 

 

© DR

 

クリストフ・ジラールへの白紙委任状
21: 00~22:00 / エスパス・イマージュ

クリストフ・ジラール
2001年から2012年までパリ市長の補佐として文化事業を担当。「ニュイ・ブランシュ」を始めパリの大規模文化プロジェクト(アートスペース 104、フランス初のメディアアートセンター「ゲテ・リリック」など)を手がける。2012年よりパリ第4区区長。

 

 

 

 

 

slip out (小野田賢三)
講演会の合間に、エスパス・イマージュのスクリーンでは小野田賢三のslip outをご覧いただけます。

私は何を見てるのか、何を見ようとしてたのか。
私には見えない事を見えるようにする方法を考える。私は私を見たかったのか。
地と図から、もうひとつの事象へ擦り抜ける、、そこからまた覗き返すために。

 

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哲学のアトリエ
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自己イメージ/鏡映的自己(トリスタン・ブリュネ)
18:00~19:30 / メディアテーク

今日、自己イメージは、社会から強いられる鏡(鏡映的自己)の多数性によって破裂されつつある。この自己イメージと他者という鏡に映った自己の関係は、複雑で奇妙になったといえる。本アトリエでは、現代における「自己イメージ」という万華鏡を探求するために、そのイメージの二つの重要な起源を分析する。ひとつ目はその国が持つ歴史、ふたつ目は押寄せるソフト・パワーである。このふたつの分野はどう繋がるのか。歴史やソフト・パワーは自己イメージが形成される際に、どのようにそのイメージに揺さぶりをかけるのか。「自己」という万華鏡の旅へ一緒に出かけましょう。

トリスタン・ブリュネ
パリ第七(パリ・ディドロ)大学博士課程。アンスティチュ・フランセ東京、白百合女子大学非常勤講師。

 

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パフォーマンス
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© Shuhei Fuchino

街にひそむ(off-Nibroll)
19:00~19:30 / 21:30~22:00 / 中庭

街に立ち、体の姿勢を変えて、そこから眺める。高い所から、低い所から、体の位置が、視点の違いが、姿勢のあり方が、異なる風景をもたらす。そんな街にひそむ風景をモチーフに書かれた戯曲をもとに、そこから浮かび上がるイメージを身体と映像に落とし込んだダンスと言葉が融合するパフォーマンス。

off-Nibroll
ニブロールの映像作家・高橋啓祐と振付家・矢内原美邦によるユニット。劇場をはじめ、美術館、ギャラリー、公共施設など多様な空間で作品を発表。映像インスタレーションとともにダンスパフォーマンスも展開し、身体と映像の関係性を追求している。

 

 

 

© Bozzo

Artificial(奥野美和)
19:30~19:50 / 教室301テラス
21:00~21:20 / ホール

“自然”や“人工”とはいったい何を指すのか? 奥野美和(ダンサー)がリアルタイムでギターを弾き鳴らし、藤代洋平(音楽)がその音にエフェクトを掛け、その場で音響に仕上げてゆく。“自然”や”人工”をキーワードとしたイメージ映像を背景に、音と映像の広がりへ身体を投げ出す。その空間の中で変化してゆく全ての要素(身体/映像/音)や過程は、“自然”であると同時に、人間の手が加えられた“人工的”なモノなのかもしれない。

N///K
2014結成。ダンサー・振付家の奥野美和が映像を手掛け、藤代洋平が音楽を担当。身体/音/映像を一素材として扱い、“観る人の内蔵に響くもの”をモットーに総合的な空間芸術創りを目指す。

 

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インスタレーション/展示会
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グウェン・ルヴィロワの映像3作品インスタレーション
ギャラリー
17:30より、エスパス・イマージュにてグウェン・ルヴィロワによる講演会も行われます。

© Gwen Rouvillois
© Gwen Rouvillois


 

 

 

 

 

 


『少年たち-馬丁』(2012/4’30)

夕暮れ時、若い男たちが馬を連れてきた。時の流れから外れたその舞台は、17世紀のスペイン絵画を思い起こさせる。しかし光とエンジンが現代の都市であることを告げている。

『少年たち-ロッククライミング』(2012/6’9)
二人の男が順に山頂を目指して岩場に立ち向かっている。都市が遠くに見える。

『シーシュポスは幸福なのだと想わねばならぬ(その1)』(2009/アニメーション/1’10)
ある一人のシャベル作業労働者が積み木を片付けている。

 

© Gilles Stassart

哲学者たちの饗宴-テーブルと料理のための協奏曲-(ジル・スタッサール&小野田賢三)
18:00~22:00 / ラ・ブラスリー
有料:500円(ご飲食料として)

食事をするテーブルとは、壮大な空間であり舞台でもある。私たちはそこで受け取り、交わし、それぞれが感覚の哲学者となる場所。ジル・スタッサールと小野田賢三によるこのテーブルは、“音”と“料理”を届ける装置となり、感覚と世界に対して耳を傾け知覚する力に疑問を投げかける。

ジル・スタッサール
作家、料理家、造形芸術と食の融合を探求するアーティスト。カルティエ現代美術財団のある一連のイベントのキュレーションを行っている。

小野田賢三
1961年群馬県生まれ。大阪芸術大学芸術計画学科音響専攻科。2008年「PARKHAUS展」(クンストハレデュッセルドルフ)、「パリ国際現代詩ビエンナーレ2009」などに参加。

 

アルベール・カミュ1913-2013展-デジタル&インタラクション―
5月13日(火)~6月7日(土) / メディアテーク

昨年、『異邦人』や『ペスト』などで知られるアルベール・カミュの生誕100年を祝う記念イベントが世界各地で開催されました。カミュは小説の他にも数多くの戯曲やエッセイ・評論を執筆し、1957年にはノーベル文学賞を受賞。その作品が湛える哲学的考察や普遍性が大きく評価されています。メディアテークでは、デジタルという新たなツールを使い、その生涯と作品を紹介します。

 

ニコラ ビュフ『ポリフィーロの手帳』展
4月23日(木)~6月1日(日) / ギャラリー

これを観れば「ポリフィーロの夢」がもっと面白くなる!4月19日から6月29日まで原美術館で開催の展覧会「ポリフィーロの夢」との関連企画展。ニコラ ビュフの作品制作の過程に迫ります。

 

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音楽
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SHARE / tokyo
22:00~23:30 / ラ・ブラスリー

SHARE(シェア)とは、主にデジタル機材を使ったオープンなジャムセッションの場。2001年にニューヨークで始まったこの試みは世界の都市へと増殖を重ね、オリジナルメンバーであるウエニシケイコ氏によって2012年に日本に持ち込まれる。現在は2013年10月にオープンした「アーツ前橋」で定期的に開催。これまでにないユニークな形の音楽セッションで新たなる感覚をシェアしましょう。

 

 

05
31
  • 2014/05/31
  • 15:00 - 23:30
  • 15時~23時30
  • 入場無料・飲食有料
  • 03-5206-2500 (アンスティチュ・フランセ東京)
  • アンスティチュ・フランセ東京
    〒 162-0826
    東京都 新宿区市谷船河原町 15


第2回「哲学の夕べ」-哲学とイメージ-

2014-05-13 - 2014-06-07 アルベール・カミュ 1913 - 2013展  ―デジタル&インタラクション―