文学における「喪失」と「創造」
パスカル・キニャールは2002年にLes Ombres errantes 『さまよえる影』でゴンクール賞を受賞した、現代フランス文学で最も重要な位置を占める作家の一人です。キニャールは日本古典文学にも関心が高く、特に古くから続く「随筆」の伝統に強い影響を受け、自身の作品に反映しています。『音楽のレッスン』(河出書房新社)、『ローマのテラス』(青土社)等、既に数多くの邦訳が出版されており、今秋11月11日(予定)には、Vie scrète 『秘められた生』が水声社より刊行されます。
津島佑子は『寵児』で第17回女流文学賞(1978年)以来、多くの文学賞を受賞している戦後の日本女流作家の第一人者のひとりです。「私小説」の流れを継承する津島佑子の作品はフランスでも高い評価を受け、『夜の光に追われて』等多くの作品が仏訳、出版されています。
二人の作家の作品にはしばしば、「死」あるいは「失われたもの」が描かれています。その喪失の悲しみは、作家 / 登場人物たちに哲学的、詩的、幻想的な創造のインスピレーションを与え、あらたにエッセー、小説、そして音楽のような作品が生まれるのです。
この対談ではパスカル・キニャールと津島佑子が、それぞれの創作における「喪失」と「創造」の深い繋がりについて語り合います。明治大学教授川竹英克が司会を務めます。
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- 2013-11-15 - 2013-11-15
- 19:00 - 21:00
- 無料 (同時通訳付)
- アンスティチュ・フランセ東京(03-5206-2500)
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