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フランス劇壇の異才、サッシャ・ギトリが巧みな会話劇によって4人の男女の愛の駆け引きを描いた作品『カドリーユ』に、ギトリを敬愛してやまなかったアラン・レネによる究極の恋愛悲劇『メロ』をご紹介します。

 

「愛を語る言葉と密やかな心理的駆け引きに満ちた遊戯的で楽しいチェンバー・フィルム(室内映画)は、従来フランス映画が最も得意としてきたものだ。しかし今日では、ベルイマンやロメール、ウディ・アレンからの影響を経てアレックス・ロス・ペリーのような期待のアメリカ・インディペンデント映画作家、そして『エクス・マキナ』のようなSF作品にまでその確かな拡がりを感じることができる。ヒラヒラと転調し続ける言葉と感情の繊細なメロディーに心奪われつつ、この美しくも儚い、映画史のもう一つの華麗な系譜に魅惑されよう!」
大寺眞輔(映画批評家)

※2本目上映後、映画批評家・大寺眞輔氏によるトークを予定しています。

 

 

quadrille_0314:30~ 『カドリーユ』

[フランス/1937年/95分/デジタル/モノクロ/日本語字幕付]
監督:サッシャ・ギトリ 出演:サッシャ・ギトリ、ギャビー・モルレー、ジャクリーン・ドリュバック

女優のポレットは、日刊紙「パリ・ソワール」編集長フィリップの恋人。そこに今をときめく人気若手俳優カールが登場し、ポレットの魅力に心奪われてしまう。ポレットは、自分を女優と知らないカールに、名前を偽り、身元を隠している。そんな時、カールはフィリップのインタビューを受けることになり、フィリップはインタビューのお礼に、ポレットが出演する舞台のチケットをカールに贈り、知らずしてふたりの再会をお膳立てしてしまう……。

 

「サッシャ・ギトリと自分を比較することなどもちろんできないが、彼の作品は全部観ている。そこに彼が出演していたってことがとても重要なんだ! スクリーンに映る彼は深い喜びを与えてくれて、劇場で初めて『とらんぷ譚』を観た時は、多くの演出家がそうであったように、嬉しさで飛び跳ねてしまった。自分の作品の中に彼の影響が垣間見えたとしたらとても光栄なことだ……」―アラン・レネ

「サッシャ・ギトリの戯曲、映画はあらゆる意味において“ jeu(ゲーム、戯れ、演技)”についての作品だ」―ジャック・リヴェット

 

 

melo_0116:30~ メロ

[フランス/1986年/112分/デジタル/カラー/英語字幕付]
監督:アラン・レネ 出演:サビーヌ・アゼマ、ピエール・アルディティ、アンドレ・デュソリエ、ファニー・アルダン

音楽院時代の親友ピエールとマルセルが再会する。ピエールの妻、ロメーヌは世界的なヴァイオリニストとして活躍するマルセルに魅了され、2人はいつしか愛し合う仲に。演奏旅行の長い旅に出かけなくてはならなくなったマルセルは、ロメーヌに帰ってくるまでにピエールと別れるように迫り、彼女に誓わせて旅に出る。苦しんだロメーヌはピエールに毒を盛ろうとするが……。

原作はアンリ・ベルンシュタインの戯曲。死をも超える愛のテーマに、洗練された会話と情緒豊かな音楽、アール・デコ最盛期のファッションやインテリアなど見所満載。

 

「私の関心は、スタイルのある音楽だった。ベルンシュタインの言葉の響きやリズム、彼の強迫的主題や極度なノイローゼにかかった人物たちだ。ベルンシュタインは観客に能動的になるのを求めている」―アラン・レネ

 

 

主催 アンスティチュ・フランセ日本
共催:東京藝術大学大学院映像研究科
協賛:ダイワロイネットホテル横浜公園
後援:横浜市文化観光局
映画プログラム オフィシャル・パートナー :CNC(フランス国立映画センター)、笹川日仏財団、TV5 MONDE
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  • 2016-05-21 - 2016-05-21
  • 一般:1200円、会員:600円、東京藝術大学学生:無料、同日2作品セットでのご購入は、一般:1800円
  • 045-201-1514
  • 東京藝術大学 (横浜・馬車道校舎)大視聴覚室
    〒 231-0005
    中区本町 4-44 横浜市

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