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フランスを代表する映画監督、エリック・ロメールのシリーズ《喜劇と格言劇》の開幕を飾る『飛行士の妻』に併せて、ロメールが「最も偉大な映画家」として多大な影響を受けたムルナウ監督の傑作『サンライズ』を上映します。

 

「恋愛映画史上の最高傑作『サンライズ』と、ロメールの恋愛喜劇を結ぶものとは。ヴァカンス(空虚)、都市、浮気、幻影、そして真心…。なぜ人は身近な相手を愛するために紆余曲折を経なければならないのか。永遠に新しく、いまも観客の心の琴線に触れてやまない「映画的恋愛表現」の核心を探る。」 三浦哲哉(映画批評家)

※2本目上映後、映画批評家・三浦哲哉氏によるトークを予定しています。

 

l'aurore_0214:30~『サンライズ』

[アメリカ/1927年/95分/DVD/モノクロ/サイレント・日本語字幕付]
監督:F.W.ムルナウ 出演:ジョージ・オブライエン、ジャネット・ゲイナー、マーガレット・リヴィングストン

田舎に住む純朴な夫は都会から来た女の虜になり、男は彼女に妻を殺すようそそのかされ、小舟から妻を突き落とそうとするが思いとどまった。だが、怯えた妻は男から逃げ、路面電車に飛び乗る。夫はなんとか追いつき、車中で仲直りしたふたりは、初めての大都会で心弾む一夜を過ごし故郷に戻る。だが、小舟で田舎に帰る途中、嵐のため小舟が転覆し、男は助かったが妻は行方不明になってしまう。悲しみに暮れる男の目の前に、再びあの女が現れた……。

 

「世界一美しい映画」―フランソワ・トリュフォー

「ムルナウは『サンライズ』を撮る前に、まるごと一つの世界を構築しておいたのであり、撮られた映画はその記録にすぎない」―エリック・ロメール

 

 

Sans titre16:30~『飛行士の妻』

[フランス/1980年/107分/35ミリ/カラー/日本語字幕付]
監督:エリック・ロメール 出演:フィリップ・マルロー、マリー・リヴィエール、アンヌ・ロール・ムーリー

法学部の学生で夜間は郵便局で働くフランソワは不器用で冴えない青年。仕事帰りの早朝、年上の元恋人・アンヌを訪ねると、彼女が愛人であるパイロットの男と一緒にいるところを目撃してしまう。アンヌと喧嘩したフランソワは偶然そのパイロットが他の女といるところを見つけ、尾行することにした。そこへ、同じバスに同乗していたリセエンヌ、リュシーが彼の尾行に気づいて、さらにその後ろをついてくる……。

ヌーヴェルバーグの指導的立場にあったエリック・ロメールが、80年代に向けて放った新しい連作シリーズ《喜劇と格言劇》の第1作目。街頭での16mm撮影というドキュメンタリー的手法を取り入れ、現場の生の音、生の光を記録することによって生まれる緊張感と、尾行、覗き見、思い違い、偶然の出会いなどヒッチコック的な要素をかけ合せたサスペンスが全篇にみなぎる。

 

「ロメールの作品は、なによりも登場人物によるシナリオの作成を物語っている。登場人物はそのシナリオの中に世界を折り畳んでみせる。シナリオと現実の対峙、それがまさにすべてのロメール作品で問われ続けている問題だ」
―ジャン=マルク・ラランヌ
主催 アンスティチュ・フランセ日本
共催:東京藝術大学大学院映像研究科
協賛:ダイワロイネットホテル横浜公園
後援:横浜市文化観光局
映画プログラム オフィシャル・パートナー :CNC(フランス国立映画センター)、笹川日仏財団、TV5 MONDE
daiwa

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  • 2016-06-25 - 2016-06-25
  • 一般:1200円、会員:600円、東京藝術大学学生:無料、同日2作品セットでのご購入は、一般:1800円
  • 045-201-1514
  • 東京藝術大学 (横浜・馬車道校舎)大視聴覚室
    中区本町 4-44 横浜市

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