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2013年6月6日から8日にかけてフランス共和国のフランソワ・オランド大統領が国賓としての来日しました。この訪日は、日本とフランスの二国間関係における歴史的な節目となるでしょう。

オランド大統領は、トリヴァイラー夫人、およびファビウス外務大臣、フィリペティ文化大臣、フィオラソ高等教育研究大臣を含む7人の大臣、ならびに企業トップや著名人などの随員を伴って来日し、安倍内閣総理大臣と「特別なパートナーシップ」を結びました。

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2013年6月6日から8日にかけてフランス共和国のフランソワ・オランド大統領が国賓としての来日しました。この訪日は、日本とフランスの二国間関係における歴史的な節目となるでしょう。

オランド大統領は、トリヴァイラー夫人、およびファビウス外務大臣、フィリペティ文化大臣、フィオラソ高等教育研究大臣を含む7人の大臣、ならびに企業トップや著名人などの随員を伴って来日し、安倍内閣総理大臣と「特別なパートナーシップ」を結びました。

 

文化の分野では、オランド大統領と安倍総理大臣は「文化に関する共同宣言」を採択しました。1953年に締結された文化協定を見直し、当時はまだ存在していなかった協力など(デジタル分野、自治体間交流、大きな文化事業者間のパートナーシップなど)を加えました。この共同宣言は、アンスティチュ・フランセ日本が日本におけるフランスの文化外交活動のなかで中心的な位置を占めていることを確認しています。

学生の交換留学に関する野心的な増大目標はロードマップの代わりとなり、一方でフランスは、フランスに留学することを望む若い日本人に対するヴィザの発給に新しい手続きを導入することを決定しました。

日仏両政府は、大学交流を促進する仕組みの実施について共同で作業すること、ならびに両国間の学位や資格の相互認証について作業することを合意しました。

また、相手国の言語の学習(フランスにおける日本語教育と日本におけるフランス語教育)が両国共通の優先事項となりました。

晴天に恵まれた6月8日土曜日、創立以来初めてフランスの大統領の訪問を迎えたアンスティチュ・フランセ東京で、100人ほどの若者が約一時間にわたり大統領と懇談しました。

大統領はフランス語を話す若い日本人と日本で暮らしている若いフランス人たちの計画や希望、不安などに耳を傾け、質問に答えました。第一グループは日仏高校交流ネットワーク「コリブリー」と東京国際フランス学園の高校生たち、第二グループは若い芸術家や建築家と東京藝術大学の学生たち、ならびに映画とデジタルアートなど文化事業に係わりのあるフランス人と日本人で構成され、文化が日仏関係を牽引する原動力であることを表していました。

第三グループは学生と研究者で構成され、最も人数が多く最も多様でした。文系から人型ロボット工学などの理系まで、あらゆる分野の学生が参加していました。フランス政府給費生もこのグループに入っていました。

第四グループは、VI(海外派遣員)や経営者、それにフランス企業や日本企業の社員など若い社会人で構成され、日本の行政機関で働くENA(高級官僚養成学校)の日本人卒業生も含まれていました。

この懇談会の場や、大統領と自由に直接意見交換ができた形式、また招待者との意見交換の継続に大臣たちが積極的に加わったことなどが、このミーティングの成功の秘訣となりました。

今回の国賓としての来日の期間中、大統領は二つの美術館を訪れました。

 

まず根津美術館では、大統領は文化・思想界の著名な方々約100名に挨拶し対話をしました。文化庁長官の近藤誠一さん、ランスのルーヴル美術館別館を設計したことでフランスでは大変有名な建築家の妹島和世さん、大学教授でフランス語作家の水林章さんの三名が答礼の挨拶に立ち、自らのフランスとの繋がりを披露しました。これに先立ち、大統領は館長の根津公一さんの案内で根津美術館を見学し、国宝に指定されている13世紀の傑作「那智瀧図」を鑑賞しました。

 

また、「LOVE展-アートにみる愛のかたち」が開催されている森美術館では、大統領は、ソフィー・カール、ナン・ゴルダン、ロマン・オパルカなど多くのアーティストに影響を与えた写真家の荒木経惟さん、著名な造形美術家の村上隆さん、「秋の演劇祭」で11月にシャトレー劇場で上演される世界初の3Dバーチャルオペラ「THE END」の作曲を担当した渋谷慶一郎さん、ならびにグラン・パレ、ショモン庭園国際フェスティヴァルなどでフランスでもたびたび紹介されている、「霧の彫刻」を通じて鑑賞者と自然の対話を試みるテクノロジーアートの先駆者、中谷芙二子さんらと懇談しました。森美術館の訪問には、フィリペティ文化大臣とファビウス外務大臣が同行し、森美術館理事長でポンピドゥーセンター日本友の会の発起人である森佳子さん、森美術館館長の南条史生さん、ならびにソフィー・カール(1999年と2013年)やジャン=ミシェル・オトニエル(2009年と2012年)など現代フランス人アーティストを常に優遇してくださる原美術館館長の原俊夫さんらに迎えられました。

6月8日、フランス大使公邸に集まった在日フランス人コミュニティに向かって、大統領は次のように述べました。「我々は文化を最上級のレベルに持っていくことを望んでいます。なぜならば、文化が両国の絆そのものであり、また、文化が精神を高めてくれるものだからであります。加えて、文化に資源を投じることは私たち一人一人を結ぶことであり、その投資が、経済面で喜ばしい結果を生む可能性があるからです。」

「私はまた、フランス語を振興し、フランス文化を振興し、数千人の日本人を受け入れている素晴らしい施設であるアンスティチュ・フランセ東京を訪問しました。駐日大使によると、改築計画が進んでいるそうです。そこで、みなさんに貢献していただけるよう、募金を呼びかけます。」

(演説の全文はこちら[フランス語のみ])

大統領が、いかに日本におけるフランス文化の普及を重視しているのかが伝わって来ました。

フランス大使館文化参事官

アンスティチュ・フランセ日本代表

ベルトラン・フォール

 

(訳:リグ・キタカミ)