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神奈川県横浜市で3年に1度行われる現代アートの国際展、ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」が11月5日(日)まで開催されます。

 

世界は今、従来の枠組みを超えて様々なネットワークが拡大する一方で、紛争や難民・移民の問題、保護主義や排外主義、ポピュリズムの台頭といった課題に直面し、大きく揺れています。

このような状況を踏まえ、ヨコハマトリエンナーレ2017では、「島と星座とガラパゴス」というタイトルのもと、世界の「接続性」と「孤立」の状況について、アートを通じて様々な角度から考察します。そして、相反する概念や現象が複雑かつ流動的に絡み合う世界や、独自性・多様性の在り様について、さらには先行きの見えない時代に、人間の持つ想像・創造力が、未来に向けた新たなヴィジョンやグランド・デザインをどのように導き出し得るのか、思索を巡らせます。

展示会場となる横浜美術館と横浜赤レンガ倉庫1号館、横浜市開港記念会館には、世界各地からの約40組のアーティストたちの多種多様な作品が展示されます。個人と社会、私と他者の関係、あるいは国家や境界、異なる歴史観といった、それぞれ異なる問いに基づいた小さな個展の集合体のような構成は、星や島が緩やかに繋がり星座や多島海を形成するように、作品世界が連なっていくイメージを反映しています。

フランスからは、タチアナ・トゥルヴェが世界との新たな関係構築の可能性を示すような様々な彫刻作品を展示します。また、現在、香港をベースに活動するローラン・グティエレス、ヴァレリー・ポルトフェの二人組ユニットであるマップオフィスは、横浜美術館のグランドギャラリーに、島や領海、領域に関する広範なリサーチに基づいた大型のインスタレーションを展開し、その中で日本の学生たちも参加し、日本文学や映画の断片を用いて島国日本のイメージをサウンドスケープとして描き出す新作も発表します。さらに、2013年ヴェネチア・ビエンナーレのフランス館代表も務めたアンリ・サラは、今回、シュルレアリストたちの「優美な死骸」というゲームにならい、友人アーティスト4人によるリレー式での協働制作作品を紹介します。

本トリエンナーレでは、テーマに関連する横浜の既存の施設、歴史的背景を持つ場所や建造物を「ヨコハマサイト」と呼び連携・紹介もします。作品を鑑賞するだけでなく、こうした既存施設等を巡ることで、「孤立と接続」という視点から改めて横浜の街を体感するとともに、開港・開国の歴史などについて考える機会になれば幸いです。

ぜひ「ヨコハマトリエンナーレ2017」へのみなさまのお越しをお待ちしております。

 

ヨコハマトリエンナーレ2017 コ・ディレクター
ベネッセアートサイト直島インターナショナルアーティスティックディレクター
三木あき子

2017-YokahamaTriennale-AkikoMiki

© Aterui 提供:横浜トリエンナーレ組織委員会

 

 

 

 

 

 

 

日程 2017年8月4日(金)~11月5日(日)
会場 横浜美術館横浜赤レンガ倉庫1号館横浜市開港記念会館 地下 ほか
公式HP ヨコハマトリエンナーレ2017