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セーヴル製陶所の名品が展示される「フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」展が11月22日(水)から2018年1月28日(日)まで、東京・六本木のサントリー美術館で開催されます。

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セーヴル製陶所は、その時代の最も偉大なアーティストとともに、300年近いフランス磁器史を歩んできました。1740年に創設され、ポンパドゥール公爵夫人の庇護下に置かれた王立セーヴル製陶所は、ナポレオン時代に帝立となり、次いで共和国立、国立となりました。その間、終始一貫して「卓越性」をモットーにしてきました。

セーヌ川沿いにあるセーヴル製陶所は今日、専門工芸職人120人を擁する一方、19世紀初めに製陶所のアレクサンドル・ブロンニャール所長が設立した国立陶磁器美術館は、貴重な歴史的文化遺産を保存しています。

「フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」展は、18世紀より続く歴史ある生産活動に加えて、最も偉大なアーティストとの絶え間ない対話を通して、常に刷新されてきた創造力を物語る150点の名作コレクションを日本で公開する唯一無二の機会です。

豊富なノウハウを誇るセーヴル製陶所は2000年代以降、現代作品に積極的に取り組み、毎年多数の国際的なアーティストやデザイナーを招へいしています。その中でも、特に日本人アーティストが多く招かれています。これはほぼ伝統と言えます。というのもセーヴルが1904年、最初に受け入れた外国人アーティストが日本人彫刻家の沼田一雅だったからです。草間彌生は2006年、その幻想的で奔放な世界から生まれた2つの作品『クリムゾン・アイ』と『ゴールデン・スピリット』を制作しました。

より最近では、デザイナーの深澤直人や、同じくデザイナーの佐藤オオキが設立したネンド(nendo)がセーヴルの作品を充実させました。前者がパリ地下鉄駅構内のタイルから着想を得て制作した花瓶『メトロ』は象徴的な作品となった一方、後者が制作した花器『サクラ』は素焼きの磁器で「わび・さび」の完璧な例であり、ローテーブル『ハス』は優美なスイレンを思い起こさせます。

友禅作家で重要無形文化財保持者(人間国宝)の森口邦彦氏が2016年にセーヴルを訪れたときは、製陶所の絵付け部門との極めて充実したコラボレーションが実現しました。最後に、東京在住のフランス人若手アーティスト、ニコラ・ビュフを挙げるべきでしょう。その丹念に描き込まれた作品は、彼が創造の源泉とする漫画や特撮の文化に直接属するものです。

この実り豊かな交流という背景の下で、本展が2017年11月から2018年12月まで、東京のサントリー美術館を皮切りに、大阪市立東洋陶磁美術館、山口県立萩美術館・浦上記念館、静岡市美術館を1年余りかけて巡回開催できることは、セーヴルの製陶所と美術館にとって極めて光栄なことです。

本展が大勢の皆さまにフランス陶磁器の豊かさを知っていただくと同時に、展示品を鑑賞する中で、私たちが相互に魅了されてきた長い歴史を思い起こすきっかけとなるよう願っています。

 

セーヴル・リモージュ陶磁都市総長
ロマーヌ・サルファティ

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詳細: サントリー美術館