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Frank Horvat, For “STERN”, shoes and Eiffel Tower, 1974, Paris, France © Frank Horvat
Grace revised and updated, painted photo, New York, 1978 © Jean-Paul Goude
Stephen Shames, Demonstration in front of the New Haven County Courthouse during Bobby Seale, Ericka Huggins trial, May 1st 1970 © Stephen Shames / Steven Kasher Gallery

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭は今や恒例の写真祭となりました。6回目となる今年は、2018年4月14日から5月13日まで、京都の美術館やギャラリーから、印刷工場跡や帯問屋といったユニークな会場にいたるまで、様々な場所で展開されます。

KYOTOGRAPHIE はこの5年で毎年行われる芸術イベントの中で最も重要なもののひとつとなりました。アルルの街で催される『国際写真フェスティバル』のように、ルシール・レイボーズと仲西祐介の日仏デュオによる意欲的な取り組みは、ほぼ13世紀にわたる古い歴史が、時に芸術的イノベーションの障壁となりうる街において、根付くことができたのです。さらにKYOTOGRAPHIE は年々世界中の有名な写真家はもちろん、優れた若い写真家の作品も扱いながら、そのプログラムを充実した、将来に希望を持たせるものとしてきました。

今回は「UP」をテーマとした全15の展示と関連イベントが開催されます。主催者も言及しているように、現在、私たちは個人においても、経済・政治もしくはアイデンティティの問題に常にさらされている国際社会の一員という、より大きなレベルにおいても、様々な課題に直面しています。その状況の中、ネガティブな考えから解放され、「目線を上げる」こと、常に「上げる」ことが大切なのだと、KYOTOGRAPHIE は思い出させてくれるのです。深瀬昌久、ステファン・シェイムス、ローレン・グリーンフィールド、リウ・ボーリン、森田具海、ギデオン・メンデル、小野規(2017年度ヴィラ九条山1レジデント)、ロミュアル・ハズメ、アルベルト・ガルシア・アリックス、須田一政、林典子、そして蜷川実花といった傑出した写真家たちが、希望ある、ポジティブな世界を展開してくれます。

そして今回も、フランスへの敬意が感じられます。フランク・ホーヴァットの『Un moment d’une femme 』(東京のシャネル・ネクサス・ホールで展示されたもの)、嶋臺(しまだい)ギャラリー、ジャン=ポール・グードの『So Far So Goude 』は京都文化博物館 別館で展示され、ジャック=アンリ・ラルティーグの作品は細見美術館で、永遠の子供時代を語ります。そしてフランスが五月革命から50周年を迎えようとしている今、パリのギメ美術館の所有するクロード・ディティヴォンの写真が、『パリ五月革命―夢見る現実』というタイトルで、NTT西日本三条コラボレーションプラザに展示されます。よりよい未来のために過去と向き合うこと、これがKYOTOGRAPHIE 2018 の美しき挑戦なのです。

今年のKYOTOGRAPHIE の大成功を収め、選ばれたテーマの趣旨が多くの人に伝わり、実を結ぶことを願っています。

フランス大使館 文化担当官
アンスティチュ・フランセ日本 芸術部門主任
ティエリー・ベイル

1. [ヴィラ九条山はアンスティチュ・フランセ日本の5つの支部の1つ で、ベタンクールシュエーラー財団とアンスティチュ・フランセの支援を受けています。]

KYOTOGRAPHIE 2018

メインスポンサー:ビー・エム・ダブリュー株式会社
特別協賛:富士フィルム株式会社
プレミアムスポンサー:シャネル株式会社ルイナール(MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社)
助成:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
後援:アンスティチュ・フランセ関西、ヴィラ九条山