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3年に1度開催される日本最大規模の国際芸術祭の一つ、瀬戸内国際芸術祭2019が瀬戸内海の島々との港を舞台に開催されています。7月19日(金)開幕の夏会期「あつまる夏」に、フランス人アーティストのニコラ・フロックが招へいされました。8月25日(日)までです。

 

Productive seascapes, Kuroshio, Sarcophytonsp soft coral, temp 23.7°, pH 8.00, pCO2452 ppm,
Iwotorijima, April 2017 – © Tara Pacific Japan Leg

 

瀬戸内国際芸術祭は2010年以来、瀬戸内海の島々を舞台に3年に1度開催されています。このイベントは「海の復権」をテーマに掲げながら、この美しい自然環境に暮らす人々の共同体の価値を高め、活性化させることで、瀬戸内海を「希望の海」にすることをめざします。

第4回目となる瀬戸内国際芸術祭2019は、春、夏、秋の3シーズンに分けて開催され、32カ国・地域から214作品が参加します。先に閉幕した春会期は、38万人以上(前回比50%増)が来場しました。

フランス人アーティストのニコラ・フロックは、7月19日に開幕した夏会期で作品を展示しています。フロックは1970年、フランス北西部のレンヌ生まれで、流動、消滅、再生が極めて重要な位置を占める過渡的な時代について、さまざまな媒体(インスタレーション、写真、ビデオ、彫刻、パフォーマンス)を通して問いかけます。約10年前から、海中環境の綿密な観察をベースに、グローバルな変化と海中景観の表現の問題に取り組んでいます。そこから生まれたのがドキュメンタリーとアートの間で揺れる写真シリーズです。フロックは今回の芸術祭に参加するにあたって、人工魚礁の観察作業を行いました。

さまざまな視点からとらえた瀬戸内海を世界中の海とともに展観する2つの写真シリーズが、高松港周辺エリアにある「北浜の小さな香川ギャラリー」で公開されています。片方が人工魚礁に関するシリーズで、もう片方が最新の写真作品シリーズの一つ、水の色に関するモノクロ画像です。水の色によって海中環境の構成を理解できるほか、とりわけそこに生息する植物プランクトンの類型を示すとともに、海洋生物のみならず陸上生物にとっても、このプランクトンが重要であることを明らかにできます。

ニコラ・フックは今回の作品展示に加えて、地球温暖化を抑える働きで知られるプランクトンの一種「円石藻」から想を得た帽子を考案しました。円石藻は展示スペースで彫刻の形でも展示されます。

夏会期は8月25日(日)まで開催中です。秋会期は9月28日(土)から11月4日(月・祝)まで開催されます。

 

開催概要

瀬戸内国際芸術祭2019 夏会期「あつまる夏」

 

会期 2019年7月19日(金)~8月25日(日)
会場 直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、高松港周辺、宇野港周辺
詳細 瀬戸内国際芸術祭2019公式ホームページ