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社会とアートにおける老女の表象をめぐるプログラム

ジャーナリストのモナ・ショレと美術史・美術評論家の岡部あおみによる対談、フランス在住アーティスト、キム・スンギへのインタビュー、さいたまゴールド・シアターの17名の女性俳優陣によるリーディング・パフォーマンスなど、社会とアートにおける老女の表象をめぐるオンラインプログラムが、5月29日より配信スタートします!

 

社会とアートにおける老女の表象をテーマとするオンラインプログラムを、5月29日(土)より配信します。

若さこそがいつも価値があり、人間存在のなかで最良の部分であると考えられている社会において、年配の女性という社会的カテゴリーや、時間の経過を経験したその身体をテーマにしたのはなぜでしょうか。

第一の理由は、いま日本で行われている対話への応答です。現在森美術館では、71歳から105歳までの年配の女性アーティスト16名を紹介する「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」が、9月26日まで開催されています。

「アナザーエナジー展」は、モナ・ショレ氏の著書『Sorcières, la puissance invaincue des femmes(魔女)』の日本語版刊行予定(国書刊行会)と同様に、この問題が日本でも取り上げられ始めたことを示しています。考察やリーディング・パフォーマンスなどの多彩なプログラムを通して、まだあまり扱われていないこのテーマに取り組む必要があると私たちは考えました。

そのためには、声を届けることが何よりも重要に思われました。こうしてさいたまゴールド・シアターのメンバーである17名の老年期の女性俳優・パフォーマーたちを、彼女たちの声を通して紹介することになったのです。この困難の時期に、孤立するのではなく、彼女たちの想像力を共有し合いましょう。

次に、森美術館の「アナザーエナジー展」に現在出展している素晴らしいアーティスト、キム・スンギ氏をご紹介したいと思いました。一般にはまだそれほど知られていない彼女のキャリアや背景を、親しみやすい雰囲気で行われたインタビューで発見することができるでしょう。

さらにアートや社会における年配の女性の身体の表象を批評的に考察するため、ジャーナリストのモナ・ショレ氏と美術史・美術評論家の岡部あおみ氏による特別な対談を行いました。この日仏対談では、魔女像がなぜ、どのように形成されたかについて、あるいはまた、祖母やバーバ・ヤーガといった紋切り型を超えて、女性が歳をとるということに関心を持つアーティストについてご紹介しています。

最後に、この時期に少しでも私たちが寄り添い合えるよう、年配の女性のポジティブな表象を皆様に選んでいただき、SNSでシェアができるようなプラットフォームを作りました。

この特別なプログラムをとおして、皆様に素晴らしい発見があることを願っています。

 

フランス大使館 文化担当官
芸術部門 統括マネージャー
サンソン・シルヴァン

 

配信開始:529日(土)予定
予約不要・無料
本ページにて視聴用リンクをお知らせします)
主催:アンスティチュ・フランセ日本
協力:森美術館、公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団