「この世には美味でない場所など、これっぽっちもありはしない」
ジャン・ジオノ、『本当の豊かさ』
本選びに迷っている方、驚きを感じてみたい方、フランス語の古典的作品を読み直したい方、あるいは、好奇心に駆られた方、この冊子はそんな貴方のために作られました!
気候変動はもはや遠い未来の話ではありません。それは現在、そしてすぐ目の前の未来に差し迫った問題であり、私たちには行動を起こす義務があります。環境に配慮した持続可能な暮らし方を新たに生み出せるかどうかは、あらゆる世代を含む私たち市民の手にかかっています。
フランスと日本はともに暮らしにこだわりを持つ国です。フランスでいえば礼儀作法、日本でいえばわび・さびの感覚がこれにあたるでしょう。一方は社交上の倫理であり、もう一方は美学としての倫理です。さらには食卓の作法、美食、一期一会、「もったいない」など、暮らしの美学にまつわる言葉を数え上げればきりがありません。
ここに紹介するフランスの書籍や日本の著名人からの寄稿文は、地球を私たちの関心の中心に据え直す「新しい暮らし方」をともに生み出すための手がかりとなるでしょう。地球をめぐり、思想家ブリュノ・ラトゥールのガイア、そして探検家の角幡唯介氏とミシュラングリーンスターシェフの中塚直人氏の経験が重なり合います。
在日フランス大使館文化参事官・アンスティチュ・フランセ日本代表
シャルランリ・ブロソー
環境に優しく、暮らしの美学にもかなう生き方を考えるヒントを、各界で活躍する10名の皆様より頂きました:
鬼頭宏、小泉進次郎、鈴木高広、田岡なつみ、竹上沙希子、丸山亮、福岡大樹、本多り子、俣野由季、中塚直人(あいうえお順、敬称略)
特別寄稿:角幡唯介(探検家・作家)
Et une recette zéro déchet du chef Naoto NAKATSUTA étoile verte (2022-2023) du Guide Michelin ©
第1章:思想家が教えてくれること
- ブルーノ・ラトゥール、フィリップ・デスコラ、バティスト・モリゾ
Les recommandations des chercheurs français de l’Institut français de recherche sur le Japon à la Maison franco-japonaise
第2章:歩みを緩める、思いにふける、感嘆する
- 歩みを緩める
- 読み返す
- 発見する
- 日本未発売の本
第3章:学ぶ、理解する、考える
- 自然とよりよく生きるために、自然をより深く理解する
- 文化は最良への道しるべとも、最悪への道しるべともなる
- 終末の訪れ? 世界はどこに向かうのか
- 日本未発売の本
第4章:口に出す、行動する、やってみる
- 変化を訴える著者
- 行動のアイデア
- 持続可能な取組みの柱となる食
- 日本未発売の本
新しい暮らし方に目覚める
フランスの本を通して考えるエコロジー
責任編集:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
クロエ・ベクリオー、西口由紀
翻訳:竹上沙希子、丸山亮
デザイン:本多り子 (asian voice)
印刷:モリモト印刷
発行日:第一版 2023年1月31日
本冊子に掲載した書籍は、東京日仏学院のメディアテークで閲覧頂けます。
また、本冊子で紹介した書籍の邦訳出版を希望される出版社様は、助成金制度もございますので、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセの書籍・グローバル討論部門までご連絡下さい。
