© M. Films

(フランス/1970年/ 89分/カラー/デジタルリマスター版)

監督:ジャン=ピエール・モッキー

出演:ジャン=ピエール・モッキー、アンヌ・ドゥルーズ、デニス・ル・ギヨ

魅惑のヴァイオリン奏者のヴァンサン・キャブラルは宝石泥棒の顔も持つ。彼の弟のヴィルジルはアナーキストのグループに属していて、殺人にも手を染めていた。ヴァンサンはこれ以上の殺戮が繰り返されないように、警察より先回りしてヴィルジルを追いかけるのだが……。「70年代、モッキーはB級犯罪映画を自ら主演し、連続して撮っている。アクションに次ぐアクション、そして演出のアイディア満載の本作は68年五月革命直後についてのモッキー自身の考察から出発している。シニックなアンチヒーローを演じるモッキー、ジョルジュ・ムスタキのテーマ曲によって愁いを帯びたロマンチシスムに包まれたフィルムノワールとなっている。」オリヴィエ・ペール

*上映前、オリヴィエ・ペールによるレクチャーあり

 

ジャン=ピエール・モッキー

1933年ニースに生まれ。長編だけでも67本の作品を監督し、フランス映画の中でもどこにも分類できない、ユニークな映画作家。法律の勉強を終えた後、パリの演劇コンセルヴァトワールに入学後すぐ、舞台、映画界の両方でその美貌と才能で一気に若手俳優として頭角を現す。ルキノ・ヴィスコンティ監督作『夏の嵐』で助監督を務め、その後、脚本を書き、自ら監督を希望した『壁にぶつかる頭』(1958年)は結局、ジョルジュ・フランジュが監督し、主演することに。1959年にようやく監督として処女長編作『今晩おひま?』を発表、商業的、批評的に成功を収める。「ヌーヴェルヴァーグの従弟」のような作品と評されるが、風刺的でメランコリック、そして類をみない反体制的な作風でほかとは一線を画し、メインストリームから外れた場所で、自由に映画を撮り続ける。ラブコメディから風刺的コメディ、あるいは犯罪映画や軍隊もの、政治的作品から幻想的な作品まで、ひとつのジャンルにおさまることなく、慣例化された制度、価値には反旗を翻し、アナーキーな世界観や荒々しいまでのユーモアを一本ごとに刻印してきた。そうしたモッキーの魅力は多くのスター俳優たち、フェルナンデル、ミシャル・シモン、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジャンヌ・モローを引きつけ、彼の作品に出演し続けた。名優ブールヴィル、ミシェル・セローとは特に多くの作品でタグを組んでいる。2019年8月8日死去、享年86歳。

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  • 2020-03-07 - 2020-03-07
  • 15:30 - 17:30
  • 一般1500円、シニア1100円、会員(シネ・ヌーヴォ、出町座、クラブ・フランス)・学生1000円
  • 06-6582-1416
  • シネ・ヌーヴォ
    1丁目20−24 大阪市西区九条

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