★4月9日(土)17時よりオープニングを開催します。どなたでもご参加可能ですので、お気軽にご来場下さい。
会場:3F テラス(3Fサロンよりご入場下さい)

KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭と連携している「KG+」の一環として、京都在住の若手フランス人写真家クレマン・ウヴラールの作品集「Foulard-スカーフ」をご紹介します。本来はアルジェリアのトゥアレグ族が身に着ける2枚のスカーフを巡るこの作品で、作者は様々なモデルたちにスカーフを差し出し、彼らに布を自分のものにするよう促すことで、多様性と異文化に関する問題を提起しているのです。

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私が俳優としてのポートフォリオを作るため、クレマンに向かってポーズを取っていたとき、彼はバッグから2枚のトゥアレグ族のスカーフを取りだして私に差し出すと、そのうち1枚を選ぶようにと言った。

私は、ベージュの方を手に取った。

その時、私は形の定まらない布の塊を自分の体に合わせるため、全く自由だった。

自分の体のどの部分を覆ってみようか?そのとき他のどの部分があらわになるだろうか?

「君の好きなようにしてくれ」と彼は言った。

唯一の拘束としての一枚の布。私は目のくらむような自由に立ち向かうため、それをつかんだ。

こうして、戸惑いを隠すためにわざとおかしなポーズを取りながら、私はその物体をあらゆる方向へと向けた。自由にという指示に対して、学校時代のかすかな記憶が、私に正しい答えを探させようとした。というのも、カメラマンが話しかけてくるとき、そこに必ずレンズがあるからだ。

だから、私はしばらく布きれ相手に格闘すると、ついにはそれを頭にかぶり、耳を覆ってしまった。

弁解するならば、寒かったのだ。私はうまくやったのか?それはクレマンが私に期待していたことなのか?彼は無言だった。彼は狙いを定め、撮影した。

このエピソードの後しばらくして、この日撮影された写真のうちの1枚が、ある一連の写真作品の中にあるのを発見した。今ここにその作品を皆様にご紹介できることを、嬉しく思う。

モデルによって選ばれたベージュとグレーのスカーフは、モノクロになっており、加工されたぼんやりとした背景の二色の世界の中で際立っている。

モデルに応じて、スカーフは頭、あるいは首やこぶしを覆っており、それぞれの立場の数だけのストーリーを語りかけてくる。

トゥアレグの織物職人には何が残ったのだろう?誰かが彼らに海を渡らせる前に、彼らの値段を交渉した市場の場所には?もしスカーフのそれぞれのひだは時が刻んだものだとすれば、人々が気づく以上に多くのしわが刻まれているだろう。そしてモデルたちは?彼らは他のスカーフからただ一枚だけを見て、一瞬、自分が星の王子様になることを夢見たのだろうか?彼らは帽子を見たのか、それともボアのお腹の中の象を見たのだろうか?

私は質問を連ね、クレマンは写真を展示する。今度は、あなたがひだの影によってあらわになるものを見る番だ。

リヴィオ・ガルー

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クレマン・ウヴラール 写真展

日程:4月9日(金)~5月7日(土)

時間:10時~19時 火曜日~土曜日 ※4月24日(日)は16時まで開場

* 日月祝および4月29日(金)~5月5日(木)は休館

入場無料

会場:アンスティチュ・フランセ関西-京都  1階カフェ、2階廊下

 

 

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07
  • 2022-04-09 - 2022-05-07
  • 10:00 - 19:00
  • 無料
  • 075-761-2105
  • アンスティチュ・フランセ関西-京都
    〒 606-8301
    左京区吉田泉殿町8 京都市 京都府