関西の知識人・文化人の方にご登場いただき、フランスの好きな作品をご紹介いただくシリーズ。

第五回は、京都のフランス料理界を長年牽引されてきた大溝(おおみぞ)隆夫シェフです。

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◎今回ご登場いただくのは: 大溝  隆夫 様

フランス料理ボルドー オーナーシェフ

 

1. フランスとの関わりを教えて下さい

京都のフランス料理の老舗で10年間勤務、その後フランスへ渡り研修を重ね、木屋町のフランス料理店の料理長を務めた後、1978年(昭和53年)当、ボルドーを開店、現在に至る。

 

2.フランスにまつわるお好きな作品を教えて下さい

オーギュスト・エスコフィエの『LE GUIDE CULINAIRE』などのフランス料理書

 

3.作品を選ばれた理由は何ですか?

フランス料理の料理人として、フランス料理の原書は不可欠なものです。私が料理の道に入った頃、原書は手に入りませんでした。最初に手にしたオーギュスト・エスコフィエの『LE GUIDE

CULINAIRE 』は、今のフランス料理の基礎になった本ですが、その当時はどの店もこの本に載っているルセットで作った同じ料理を提供していたものです。

フランスで働いた時、キュイジニエが厨房で見ていた『LE REPERTOIRE DE LA CUISINE』は、私もすぐに買いました。

その後、料理の流れもクラシックからヌーヴェルキュジーヌへと移り変わります。その旗手と言われたのが、ポール・ボキューズやレイモン・オリヴェールで、素材を生かした、新しい料理に挑戦しました。

その後、変化はさらに早くなりましたが、アラン・デュカスの『Grand livre de cuisine d’Alain Ducasse』 やミシェル・ブラの『LE LIVRE DE MICHEL BRAS』など、そのシェフの特徴を活かした料理本で大変勉強させていただきました。

人生の節目となったこのような本がなければ、今の私はないと思います。フランス料理書に感謝、感謝です。

 

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修行時代は毎日本屋に立ち寄って、新しい本はないかと探しておられたそうです。情報がない時代、料理本は貴

重な情報源だったとのこと。「字引き」とのあだ名まで付いたそうです。

大溝シェフ、どうも有難うございました!

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  • 2020-05-07 - 2020-06-30
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