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アンスティチュ・フランセ関西は、フランス映画をさらに身近に感じてもらい、様々な企画を通してフランス映画に親しんでもらうために、京都シネマと文化交流協定を締結しています。
京都シネマでは、クラブ・フランス会員証(有効期限内のもの)のご提示により、下記の映画を割引料金にてご覧頂くことができます。
www.kyotocinema.jp

 

『去年マリエンバードで』
1/4(土)-1/17(金)
L’Année Dernière à Marienbad/1961/仏、伊/94分/監督:アラン・レネ/出演:デルフィーヌ・セイリグ、ジョルジョ・アルベルタッツィ、サッシャ・ピトエフ

危険なエロティシズム、甘美な死の予感、優雅で完璧な退屈。まるで夢のような迷宮に誘い込まれていく。舞台は、無表情のブルジョワジーたちが演劇鑑賞や社交ダンス、ゲームに耽る豪華ホテル。そこに、ここマリエンバードで出会い、愛し合い、1年後に駆け落ちすると約束した女を連れ出すためにある男がやってくる。しかし、再会した女は「そんな約束はしていない」と拒む。彼女は去年のことを忘れてしまったのか?それとも白を切っているだけなのか?この映画は、謎解きミステリーであり、記憶の不確実性をめぐる哲学的寓話でもあり、廃墟と冥界が交差する奇妙な幻想譚である。
1959年、作家マルグリット・デュラスが脚本を書いた初の長編映画『二十四時間の情事(ヒロシマ・モナムール)』によって有名となったアラン・レネ監督は、ヌーヴォー・ロマンの旗手アラン・ロブ=グリエとタッグを組み、二作目となる映画を完成させた。文学と映画が交わった映画史に屹立する奇跡の結晶作品だ。
また、さまざまな監督たちと交流があったココ・シャネル自らがデザインした衣装は、現代にいたっても、シンプルでエレガント、モダンにしてクラシカル。見るものの目を奪う見事さである。2018年にシャネルの主導により、半世紀の時を経て完全修復されたこの作品は、シャネルの華麗な衣装の数々が美しさを放ち、鮮烈によみがえる。

『冬時間のパリ』
1/18(土)-2/7(金)
Doubles Vies/2018/仏/107分/監督:オリヴィエ・アサイヤス/出演:ジュリエット・ビノシュ、ギョーム・カネ、ヴァンサン・マケーニュ、クリスタ・テレ

カルチャー・サブジェクトの現代。老舗出版社の敏腕編集長アランは迫りくるデジタル化の流れになんとか順応しようと右往左往している。女優で妻でもあるセレナとはうまくいっておらず、彼は年下のデジタル担当と不倫中。セレナはセレナでアランの友人で作家でもあるレオナールと秘密の関係を結んでいる。レオナールは、政治家秘書で妻のヴァレリーにそのことを伝えられずにいる。なんともこんがらがった迷える二組の夫婦の愛の行方を、パリの出版業界の様相と共鳴させながら、軽妙に描いていく。
是枝裕和監督『真実』でも話題の女優ジュリエット・ビノシュや、監督としても活躍するギョーム・カネ、『女っ気なし』のヴァンサン・マケーニュ、人気コメディエンヌのノラ・ハムザウィがそれぞれ夫婦を演じる。
ウディ・アレン的に小粋であり、エリック・ロメールの映画のように、エスプリに富んだ会話劇。プライバシーと芸術、SNSと私小説、政治とイメージなどなど……、現代にあふれる社会の関心事を、大人の恋愛模様の陰にひそませ突きつけられる。会話のなかで二組の夫婦は、何度も失敗し、駆け引きをし、驚嘆し、共鳴する。どれだけ憎みあい、どれだけ反発を食らっても、会話をやめない。言葉はつたなく、頼りないものだとしても、伝えることの意味はまだ残っているんだろうか。映画を観ていると、この時代に、対話を続けることの意味を問われているみたいだ。
なにもかも移り変わってしまう時代に、愛すらも見失ってしまった彼らがたどりついた大団円は、受け入れがたい変化すらも受け入れてみると、大切なものへの新しい価値を発見させてくれることを教えてくれる。

『英雄は嘘がお好き』
1/18(土)-1/31(金)
Le Retour du Héros/2018/仏/91分/監督:ローラン・ティラール/出演:ジャン・デュジャルダン、メラニー・ロラン、ノミエ・メルラン

『アーティスト』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したジャン・デュジャルダンとフランスきっての多才な女優メラニー・ロランが主演!名家のご令嬢とチャーミングな嘘つき男の、可笑しなロマンチック・コメディ。
19世紀のフランス、ブルゴーニュ。次女ポリーヌの縁談がまとまり大喜びするボーグラン家だったが、婚約者のヌヴィル大尉は戦争へ。手紙を書くと約束したにも関わらず、一向に音沙汰はなく、ポリーヌは病に臥せてしまう。そこで長女エリザベットは、大尉のふりをして手紙を偽装、数々の武勇伝をでっちあげ最後は死んでしまったことに。しかし、3年後ヌヴィル大尉は帰ってくる…。嘘が嘘を呼び、とんでもない事態を巻き起こす。19世紀というインターネットがない時代の不自由さを上手に生かし、いがみ合っている者同士が共犯になっていくというラブコメには必須の設定を、かなりスマートに面白おかしくみせていく手腕に驚いてしまう。フランスのエスプリが存分につまったアダルティな面白さ!数々の英雄たちの武勇伝は、こうして作られていったのかもしれないとおもうと、また笑えてしまう。また、フランスの歴史ある城や村がロケ地としてそのまま使われていて、みどころ満載だ。

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  • 2019-12-28 - 2020-01-22
  • 00:00
  • 1800円、クラブ・フランス会員1500円(同伴者2名まで)
  • 075-353-4723
  • 京都シネマ
    〒 600-8411
    下京区烏丸通四条下る西側 COCON烏丸3F 京都市