京都シネマ

© LES FILMS VELVET – FRANCE 3 CINÉMA

アンスティチュ・フランセ関西は、フランス映画をさらに身近に感じてもらい、様々な企画を通してフランス映画に親しんでもらうために、京都シネマと文化交流協定を締結しています。
京都シネマでは、クラブ・フランス会員証（有効期限内のもの）のご提示により、下記の映画を割引料金にてご覧頂くことができます。
※上映時間や詳細については京都シネマまでお問い合わせください。
www.kyotocinema.jp

『ハッピー・バースデー　家族のいる時間』
1/8(金)-1/28(木)
PG12/Fête de Famille/2019/仏/101分/監督：セドリック・カーン/出演：カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベルコ、ヴァンサン・マケーニュ、セドリック・カーン

笑って、泣いて、幸せがやってくる。おかしくて切なく、過激で強烈。でも、ほろ苦くもあたたかいフランス流家族のドラマ。舞台は、夏のある日、フランス南西部の美しく豊かな自然に囲まれた邸宅。母アンドレアの70歳の誕生日祝いが開かれるその日、行方不明だった長女クレールの突然の帰郷によって、誕生会は大混乱の展開に。思い出の家をめぐる問題や複雑な親子関係、それぞれが抱える過去や秘密がつぎつぎと暴かれ、家族は激しくぶつかり合うが…。
母アンドレア役には、国民的女優カトリーヌ・ドヌーヴが。たしかな演技力と類まれなる存在感はあっぱれ！トラブルメーカーの長女にはエマニュエル・ベルコ、芸術家肌の次男にヴァンサン・マケーニュ。しっかり者の長男は、セドリック・カーンが演じる。フランスを代表する名優たちの見事なアンサンブル！演技の饗宴ともいうべきすばらしい家族の一日。

『パリの調香師　しあわせの香りを探して』
1/29(金)-2/18(木)
Les Parfums/2019/仏/101分/監督：グレゴリー・マーニュ/出演：エマニュエル・ドゥヴォス、グレゴリー・モンテル、セルジ・ロペス、ギュスタヴ・ケルヴェン

フランスに脈々とつらなる香水の歴史。香り好きなひとならば聞いたことがあるかもしれない「調香師」という職業を背景に、「最高のふたり」のような凹凸コンビで贈るさわやなかな人生賛歌。つまずいた人生に訪れる新しい出会いに道が開かれていく。
主人公はかつてディオールの香水“ジャドール”をはじめ、数々の名作を作った天才調香師アンヌ。しかし、仕事のプレッシャーと忙しさから、突如、嗅覚障がいになり、現在は企業や役所からの地味な仕事ばかり。他人と関わらず、“匂いの世界”に閉じこもっていた。そんなときに彼女の運転手として雇われたギヨーム。不器用だが、口が達者なギヨームは、気難しいアンヌに戸惑いながらも、少しずつ彼女の心を開かせていく。次第に彼にも匂いをかぎ分ける才能があることに気が付き…。
「調香師」という日本ではあまり耳慣れない職業の奥深さやその孤独、繊細さなんかを知れるのは面白い発見だ。世界に数百人ほどしかいないといわれる「調香師」は、香りのスペシャリストで、ほとんどの調香師がフランスで修業を積んでいるとか。
そんな奥深い世界を背景に爽やかなバディムービーとしても見ごたえ抜群である。いかにもブルジョワ的な女性のアンヌと、ワンルームのアパートメントでいまにも仕事を失いそうなギヨーム。いっけん正反対に見えるふたりは、最初のうちは大きく衝突するが、お互いの足りないところを補いあいながら、互いの自身を取り戻すのを助け合っていくという王道のストーリー。それでも、人と人が出会うことでうまれる新しい可能性やぬくもりはいつだって見ていて楽しいものだ。ふわりと気持ちのいいエンドロール。ぜひ劇場で。