(1990年/127分/モノクロ&カラー/ビデオ/フランス語・日本語字幕)
監督:クレール・ドゥニ
出演:ジャック・リヴェット、セルジュ・ダネー、ビュル・オジエ、ジャン=フランソワ・ステヴナン

60年代初頭にジャニーヌ・バザンとアンドレ・S・ラバルトにより企画された「現代の映画作家シリーズ」は、ルノワール、ブニュエル、ラング、フォード、カサヴェテスなどの巨匠たちを、彼らを敬愛する映画監督たちがドキュメンタリーとして撮るというコンセプトであり、貴重な資料であると同時に、二人の監督の出会い、共鳴によって、多くが素晴しい作品となっている。このシリーズは1972年に一旦、打ち切られ、1988年に「現代の映画シリーズ」として新たにスタートする。ナンニ・モレッティ、デヴィッド・リンチ、マーティン・スコセッシなどを迎えてスタートした新シリーズで、初めてフランス人監督を迎えて撮られたのが「ジャック・リヴェット、夜警」である。かつて、リヴェットは「現代の映画作家シリーズ」で最も敬愛する映画作家のひとり、ジャン・ルノワールのドキュメンタリーを監督しているが、今度は自らが撮られる対象、「モデル」となることを引き受け、その横にリヴェットが「カイエ・デュ・シネマ」編集長の時代からの仲間で、信頼を置く映画批評家セルジュ・ダネーが寄り添っている。監督するのは、やはりリヴェットが信頼し、彼の何本かの映画でアシスタントを務めている女流監督クレール・ドゥニである。リヴェットがかつて撮影したパリのいくつかの場所を訪れながら、現代と過去、フィクションとドキュメンタリー、昼と夜、光と影が交錯して行く。顔を撮ること、身体を撮ることとは、セクシュアリティーとは、ヌーヴェルヴァーグとは、孤独であるとは、そして映画とは……。ステヴナンが言うように、「孤高なカウボーイ、イーストウッド」のように歩きながら、あるいは、カフェでしきりに手で豊かなしぐさを見せながら、リヴェットは、映画=人生について、いつになく雄弁に語ってくれる。

※予定通り開催致します (2021-04-27)

04
30
  • 2021-04-30 - 2021-04-30
  • 00:00
  • 一般1500円、シニア1100円、会員(シネ・ヌーヴォ、出町座、クラブ・フランス)・学生1000円
  • 06-6582-1416
  • シネ・ヌーヴォ
    1丁目20−24 大阪市西区九条

<< 第3回 映画批評月間 in 関西:フランス映画の現在をめぐって