(フランス/1986年/90分/カラー/デジタル)

監督:ジャン=ピエール・モッキー
出演:ミシェル・セロー、ジャンヌ・モロー、ジャン・ポワレ

非合法すれすれでなんとか暮らす気ままなパピュは、、保険金欲しさに事故で足が麻痺したと偽り、献身的な元娼婦のサビーヌを引き連れてルルドへと偽の治癒旅行に出発するが……。「社会風刺、反聖職者主義的劇画を超えて、不条理で詩的なアイディアで溢れる驚くほど豪快な本作で、モッキー映画の常連、セローとポワレがミスキャストをおおいに楽しんでいるように見える。優雅な俳優ポワレが小汚く下品な浮浪者、セローは滑稽で口のきけない保険業者を演じ、まるでサーカスの演目を見ているようだ(…)。モッキーは、この縁日のような作品で多種多様な人々をこれまで以上に鮮やかに浮かび上がらせてみせる。」オリヴィエ・ペール

 

ジャン=ピエール・モッキー

1933年ニースに生まれ。長編だけでも67本の作品を監督し、フランス映画の中でもどこにも分類できない、ユニークな映画作家。法律の勉強を終えた後、パリの演劇コンセルヴァトワールに入学後すぐ、舞台、映画界の両方でその美貌と才能で一気に若手俳優として頭角を現す。ルキノ・ヴィスコンティ監督作『夏の嵐』で助監督を務め、その後、脚本を書き、自ら監督を希望した『壁にぶつかる頭』(1958年)は結局、ジョルジュ・フランジュが監督し、主演することに。1959年にようやく監督として処女長編作『今晩おひま?』を発表、商業的、批評的に成功を収める。「ヌーヴェルヴァーグの従弟」のような作品と評されるが、風刺的でメランコリック、そして類をみない反体制的な作風でほかとは一線を画し、メインストリームから外れた場所で、自由に映画を撮り続ける。ラブコメディから風刺的コメディ、あるいは犯罪映画や軍隊もの、政治的作品から幻想的な作品まで、ひとつのジャンルにおさまることなく、慣例化された制度、価値には反旗を翻し、アナーキーな世界観や荒々しいまでのユーモアを一本ごとに刻印してきた。そうしたモッキーの魅力は多くのスター俳優たち、フェルナンデル、ミシャル・シモン、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジャンヌ・モローを引きつけ、彼の作品に出演し続けた。名優ブールヴィル、ミシェル・セローとは特に多くの作品でタブを組んでいる。2019年8月8日逝去、享年86歳。

 

 

 

【上映について】

1回の上映につき、他の方と座席ひとつ間隔を空けてのご案内になります。そのため定員数が通常の50%程度になります。また、上映会場内は、上映の合間に換気を行っております。

当面、チケット販売は感染予防面からもPeatix上のみに限らせていただきます。当日販売はございませんのでご注意ください。※招待券をお持ちの方は当日受付までお越しください。

 

 

 

07
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  • 2020-07-31 - 2020-07-31
  • 19:00
  • 開場:15分前
  • 一般:1200円 学生:800円 会員:500円  ※チケットはPeatixにて7月11日(土)15時より販売開始(感染予防面からも当面販売はPeatixのみに限らせていただきます。当日販売はございませんのでご注意ください。)
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