絵画、写真、音楽、ファッション、ダンス……。映画は複合芸術として19世紀末に誕生し、それらを包含し、またそこから影響を受けながら、独自の形式、表現方法を進化させてきました。絵画、ダンス、演劇、スポーツ、音楽……、そうした他の創造分野と映画との接点を探るべく、日仏の映画監督、専門家をゲストに迎え、それぞれの影響、類似点や相違点をテーマ別に考察します。関連作品や画像の抜粋とともに、オンライン形式も含めたゲストのトークショーを開催します。また、「読書の秋」と連携し、BDや男女同権に関連した講演とともに、映画上映もしくはTVシリーズ作品上映も行う予定です。秋の夜長を、素敵なゲストとともに、芸術の多様な関係性、そこにある深遠なる魅力、可能性をご堪能ください。

 

映画の中のアーティストたちの肖像  (イメージフォーラム・フェスティバル2020共催企画)

 

10.3(土)17:00~ マリー・ロジエ特集:マリーのワンダーランド1 上映後
会場:スパイラル・ホール
ゲスト:マリー・ロジエ(映画監督、上映プログラマー・コミッショナー)
毎年、世界中の先鋭的な作品を集めて話題の映画祭、イメージフォーラム・フェスティバルにてマリー・ロジエ特集が開催されます。
名だたるアヴァンギャルド・アーティストのポートレートを、自らのポップでキッチュな世界観へと引き込んで描きあげ、ドキュメンタリーの常識を打ち砕く独自のフィルモグラフィーを築きあげてきたロジエは、ミュージシャン、作曲家(『ジェネシスとレディ・ジェイのバラッド』)、あるいはルチャ・リブレのスター(『ルチャ・リブレの女王 カサンドロ』)に寄り添い、彼らの人生や創造行為を記録していきます。その撮影自体がライブ・イベントであり、アーティストとの共同パフォーマンスと言えるでしょう。カンヌ映画祭やベルリン映画祭、ロッテルダム映画祭、ニューヨーク近代美術館、ポンピドゥー・センター、シネマテーク・フランセーズ、ホイットニー美術館ビエンナーレなどでも上映され、世界的に高い評価を得ているロジエを、10月3日(土)『フェリックス・イン・ワンダーランド』(17:00~)上映後に迎え、映画が多分野のアーティストたちをどのようにとらえることができるのか、国境や領域を越えて映画の持ち得る自由な可能性についてお話をお聞きします。

会場:スパイラルホール
東京都港区南青山5-6-23 スパイラル 3F
お問合せ:イメージフォーラム・フェスティバル2020事務局
〒150-0002東京都渋谷区渋谷2-10-2

マリー・ロジエ特集:マリーのワンダーランド
9/28(月)- 10.3(土)
会場:スパイラルホール
プログラム:
1.トニー・コンラッド:ドリーミニマリスト (アメリカ/2008年/25分/デジタル)
フェリックス・イン・ワンダーランド (フランス・ドイツ/2019年/49分/デジタル)
2.ルチャ・リブレの女王 カサンドロ (フランス/2018/73分/デジタル)
3.ジェネシスとレディ・ジェイのバラッド
(アメリカ・ドイツ・イギリス・オランダ・ベルギー・フランス/2011 年/75分/デジタル)

イメージフォーラム・フェスティバル2020 開催概要
東京:シアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区渋谷2-10-2) 9月26日(土)〜10月2日(金) スパイラルホール(東京都港区南青山5-6-23) 10月2日(金)〜4日(日)
名古屋:愛知芸術文化センター(愛知県名古屋市東区東桜1-13-2) 11月21日(土)〜23日(月・祝)
公式サイト

 

◆映画とダンス 

10.9日(金)21:00〜
会場:シアター・イメージフォーラム
ゲスト:ダミアン・マニヴェル(映画監督)、三宅唱(映画監督)
フランスの俊英ダミアン・マニヴェルの最新作で、第72回ロカルノ国際映画祭最優秀監督賞を受賞した『イサドラの子どもたち』が9月26日より日本公開されます。元ダンサーでもあるマニヴェルはその作品の中でつねにコレオグラフィックな身体の動きを取り入れた演出をしてきましたが、この最新作では伝説のダンサー、イサドラ・ダンカンのダンスを世代の異なる四人の女性たちが自分たちの身体、そして生活の中に受け入れていく姿を丁寧に描いています。ミュージシャン(OMSB、星野源)、建築家(鈴木了二)、そして石橋静河を初めとする若い才能たちとのコラボレーションや、様々な場所、風景とのつながりの中で創作の可能性を探究し続ける映画作家、三宅唱もお招きします。日仏両国で、独自の方法、スタイルによって刺激的な活動をしているおふたりに映画の中の身体の動き、ダンスとの繋がりについてお話をお聞きします。関連作品の抜粋上映も予定しております。

協力:コピアポア・フィルム

チケット情報:1,200円均一
*「イサドラの子どもたち」ご鑑賞時の座席指定券提示の方は500円
*開催当日20:30よりシアター・イメージフォーラム ロビー内 特設受付にて販売開始。当日券のみ。

『イサドラの子どもたち』公開情報
2019年製作/84分/フランス・韓国合作 配給:コピアポア・フィルム
9月26日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。

【公式サイト】

 

◆映画と絵画 講演「マティスと映画」

開催日:10.16(金)18:30~
会場:アテネ・フランセ文化センター
ゲスト:ドミニク・パイーニ(元シネマテーク・フランセーズ館長、映画批評家)
2019年に南仏ニースのマティス美術館で開催された「Cinématisseシネマティス」のコミュッショナーを務めたドミニク・パイーニがアンリ・マティスの絵画、マティスと当時の映画人との貴重な写真、映画の抜粋などとともに、マティスと映画の間の非常に刺激的で関係についてレクチャー頂きます(オンライン開催/通訳付)。

「アンリ・マティスは熱心な映画観客、真のシネフィルで、シネクラブや映画館に足繁く通い、もっとも独創的で前衛的な作品に通じていました。ジャン・ルノワールからロバート・フラハティ、ルネ・クレールからF・W・ムルナウ、あるいは科学映画からターザンの映画まで、幅広く映画に感心を抱いていました。
マティスは当然のことながら映画を娯楽として鑑賞してましたが、その作品には映画からの決定的な影響、図像的(イコノグラフィック)、構成的な影響が見られます。彼が残したテキストからもそれが明らかです。マティスは自らの作品全体を「自分の感情のシネマトグラフィ−」と認識し、画家として観察するには「時間的拡大鏡(ルーペ)」つまりキャメラを用いていると記してます。
またその逆に、現代映画もマティスに多くを負っており、とりわけフランスのヌーヴェルヴァーグ(ジャック・リヴェット、エリック・ロメール、ジャン=リュック・ゴダール、ジャック・ドゥミ、アニエス・ヴァルダ……)にはその影響を見ることができます。これら映画史の改革者たちは、ロベルト・ロッセリーニやジャン・ルノワールと共に、マティスを自分たちの「親父(パトロン)」と見なしました。ヌーヴェルヴァーグの作家たちはそうしてマティスの作品の幾つかを自分たちの作品の中で引用し、マティスの即興的アートから着想を得ています。
講演ではこうしたマティスと映画との知られざる関係を彼の作品や映画の抜粋をお見せしながら明らかにします。」ドミニク・パイーニ

会場:アテネ・フランセ文化センター
東京都千代田区神田駿河台2-11 アテネ・フランセ4階
03-3291-4339

※入場料:1,000円/先着順79名 (18:00より会場にてチケット発売開始)

 

◆フランスの女性向けバンドデシネとアニメを通じて学ぶこれからの女性の生き方

 

11.17(火)18:00~19:30
会場:アンスティチュ・フランセ東京エスパス・イマージュ
ゲスト:はらだ有彩(漫画家)、ミュリエル・ジョリヴェ(社会学者)
司会:浜田敬子(Business Insider Japan統括編集長)
自分の情熱を追い求める勇気を持ち、女性を取り巻く現状を動かし、美の規範に囚われないで生きるにはどうすればよいのでしょうか?バンドデシネとアニメからヒントを得られるかもしれません。特にペネロープ・バジューの「キュロテ」に描かれる世界中の女性達の姿には励まされます。本討論会は「キュロテ」の短編アニメのエピソードに触れながらこのテーマを考えます。

(要申込)オンライン配信( 日本語のみ)
*当日、登壇者のいる会場での聴講をご希望の方は、入場は無料ですが、座席数が限られておりますので、必ず事前にアンスティチュ・フランセ東京サイトでイベントのページの専用フォームからお申込みください。

詳細はこちらのページにてご確認下さい。

 


 

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  • 2020-10-03 - 2020-11-17
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