哲学・ワークショップでは、ある文章、引用文、画像などから出発して、司会者兼ガイドの堀茂樹氏の案内のもと、参加者同士が先入観なしに、自由に、フランクに、日本語で意見交換をしつつ、それぞれ自分の考えを問い直し、深化させ、より明確にしていきます。哲学的思考にかなり慣れている方も、単に興味がある、好奇心が湧くという方も、ふるってご参加ください。予備知識は必要ありません。

テーマの選択にあたっては、フランスの高等学校普通科最終学年の科目「哲学」のプログラムを念頭に置いています。

 

2021年秋学期も、2時間のセッションを5回予定しています。連続的かつ段階的に「真実」(フランス語ではla vérité)について考え、共同討議をおこないます。

その際、司会兼ガイドによる必要最小限の導入的概説と、関連する哲学用語の紹介を共有した上で、古今の哲学者――プラトン、アリストテレス、エピクテトス、トーマス・アキナス、セクストス・エンペイリコス、デカルト、パスカル、ライプニッツ、マルブランシュ、カント、バンジャマン・コンスタン、ウイリアム・ジェイムズ、ニーチェ、フロイト、ベルグソン、アーレント等――の著述の抜粋を日本語訳で読み、参考にします。これらの資料は学期中に順次、教室で配布します(ワークショップがオンラインでの実施となった場合には、ウェブ上の専用サイトから適宜ダウンロードできるようにします)。

このワークショップは、アンスティチュ・フランセ東京の教室を会場として開催します。万一、東京が政府の緊急事態宣言下に置かれた場合には、オンラインに切り替え、zoomで実施する可能性があります。

ワークショップの各回のテーマと、中心的な問いは以下のとおりです。


第1回:10月12日(火)

「真実」の定義(三種類)
真実とは何か? 真実とは「正しい意見」か? 真実と意見が異なるとすれば、どう異なるのか? 真実と事実、真実と現実、また真実と「真理」は、さらに真実と「真正さ(authenticité)」は、どう区別されるのか?

第1回の申し込み・お支払いはこちら

 

第2回:10月26日(火)

「真実」の認識可能性と指標
はたして真実は確かさをもって認識し得るものであるか? もし認識し得るとすれば、それはどのような方法によってか?どのような指標に基づいてか?

第2回の申し込み・お支払いはこちら

 

第3回:11月9日(火)

価値としての「真実」
なぜ人は真実を欲するのか? 真実はそれ自体として追求される無私の目的か、それとも、より高い価値、あるいはより優先される価値のために追求される手段か?

第3回の申し込み・お支払いはこちら

 

第4回:11月30日(火)

義務としての「真実」
われわれは常に真実を述べるべきか? われわれはあらゆる真実を述べるべきか? 「嘘も方便」であるか? もし「嘘も方便」であるとすれば、それはどのような条件においてか?

第4回の申し込み・お支払いはこちら

 

第5回:12月14日(火)

社会の中の「真実」
なぜ真実は「革命的」か? 真実の要請を前にして政治家、科学者、ジャーナリストにそれぞれ期待される態度は? 事実判断と価値判断、あるいは価値中立性(M・ウェーバー)について。

第5回の申し込み・お支払いはこちら

 

Le programme en version françaiseici

 

お申込、お支払は、アンスティチュ・フランセ総合受付にて、またはオンラインブティックからお願いいたします。

開講の可否を一週間前に決定いたします。人数によっては開講できない場合がございますので、オンラインブティックからお早めにお申込ください。

 

〔時間〕:各回18:00-20:00 〔料金〕:各回1000円

〔場所〕:東京都新宿区市谷船河原町15 アンスティチュ・フランセ東京 教室(オンラインでの開催となる可能性もございますので、ご注意ください)
〔使用言語〕:日本語(司会者が必要に応じてフランス語の単語や、その語源のギリシア語・ラテン語などを紹介することはあり得ます。)

司会者:堀 茂樹

フランスの思想と文学を専門とする慶應義塾大学名誉教授。「アンスティチュ・フランセ東京」講師、市民の勉強会「オイコスの会」共同代表。小説家アゴタ・クリストフ(『悪童日記』他)や人類学者エマニュエル・トッドの翻訳者としても知られている。最近の著述の一つは「新自由主義の人間観、あるいは有限性の忘却」(『表現者クライテリオン』所収)。近訳書に、ヴォルテール『カンディード』(晶文社)がある。

10
12
12
14
  • 2021-10-12 - 2021-12-14
  • 00:00
  • アンスティチュ・フランセ東京
    〒 162-8415
    新宿区市谷船河原町15 東京都