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(2014年/200分/カラー/デジタル上映/日本語字幕付)
監督:ブリュノ・デュモン
出演:アラヌ・ドゥラエ、リューシー・カロン、ベルナール・プリュヴォスト

 

ブロネ地方の海岸沿いの村に住む少年プティ・カンカンは、ガール・フレンドのイヴ、仲間たちと自由に休暇を過ごしている。ある日、海岸に警察のヘリコプターが着陸し、洞穴から牛の遺体を引き出しているのを目撃する。その牛のお腹からバラバラにされた女性の遺体が見つかる。そして牛の遺体はもう一体、また一体とふえていく…。警察部長のヴァン・デル・ヴェイデンと部下のリュデュ・カルパンティエ、ズッコケ二人組、そしてプティ・カンカン率いる子供たちは、それぞれこの奇妙な事件を追っていく。テレビ局アルテから白紙委任状を受けたデュモンが撮影場所でオーディションした素人たちとコメディと犯罪ものが見事に融合した傑作を生み出した。テレビ・シリーズでは通常ありえないシネマスコープで撮影され、今回はカンヌ国際映画祭で上映されたのと同じ、シネマスコープ映画版にて特別上映する。

「ときに一本の映画を前にして唯一ある言葉が漏れてしまうことがある。「ありえない」と。最後にその言葉を漏らしたのはレオス・カラックスの『ホーリー・モーターズ』を前にしてであった。今日、『プティ・カンカン』を前にその言葉を漏らしている。ブリュノ・デュモンのようにシリアスな映画作家がここ数年でもっとも笑いを呼ぶ作品を撮ってしまうなんて。まるでより高いレベルへと到達するためには脇道に逸れてみるだけで十分であるかのように、そのスタイルをまったく変えて、作品を完成してしまうなんて。突然、ベルイマンやアントニオーニ、あるいはドライヤーやタルコフスキーの喜劇を見る夢をみさせられているかのようだ。フランスの奥深い田舎町に暮らす人々を、揶揄することなく、笑わせることができるなんて。たしかにカンヌ国際映画祭でのお披露目の際に監督自身も述べていたではないか、「心の底から笑って下さい」と。そしてまた今まで見たことがないほど素晴らしい喜劇俳優が、数ヶ月前まで庭師をしていた無名の俳優だなんて。ありえない、不可能だ、でもここに私たちが望むすべてがある」。ステファン・ドゥローム「カイエ・デュ・シネマ」

 

 

※上映後、ブリュノ・デュモンによるティーチ・インあり。

 

 

フィルム提供:NDMインターナショナル・セールス

 

 

 

 

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  • 2015-02-07 - 2015-02-07
  • 16:30
  • 開場:20分前
  • 一般:1200円 学生:800円 会員:500円
  • アンスティチュ・フランセ東京(03-5206-2500)
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
    新宿区市谷船河原町15 東京都 日本

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