『トムボーイ』

（2011年/フランス/82分/35mm/カラー/日本語字幕付）
監督：セリーヌ・シアマ
出演：ゾエ・エラン、マローン・レヴァナ、マチュー・ドゥミ

少年のような10歳の少女、ロール。家族とともに引っ越した先でロールはミカエルと名乗り、近所の子供たちに自分を男の子だと思い込ませる。日々をともに過ごすうち、同年代の少女リザはロールに好意を抱き始める。リザの自分への好意をどう受け止めるべきなのか？と、ロールは葛藤する。さらに最初は気にもとめていなかった家族もロールの振る舞いが引き起こした騒動に巻き込まれていく…。『水の中のつぼみ』でデビューし、最新作『ガールフッド』が昨年のカンヌ国際映画祭で高い評価を得た女性監督セリーヌ・シアマの長編二作目。子供たちの自然な演技のアンサンブルが素晴しい。
「緊張感があり、謎めいている本作は、サスペンス映画のあらゆる手法を用いている。セリーヌ・シアマは、非常に構築されたドラマトゥルギーを、その骨組みを見せずに用いることに大変長けている。（…）脚本家のアーロン・ソーキンが得意とするようなアメリカ映画の効率的な語り口を、ドワイヨンのようなフランスの作家の映画のボキャブラリーの中に置き換えている作品とも言えるだろう」。（ジャン＝マルク・ラランヌ、「レザンロキュプティーブル」）

東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品