『アスファルト・ジャングル』

（アメリカ／1950年／112分／デジタル／モノクロ／日本語字幕）
監督：ジョン・ヒューストン
出演：サム・ジャフェ、スターリング・ヘイドン、マーク・ローレンス、ルイス・カルハーン、マリリン・モンロー

西北部のある都市。刑務所から出所したばかりのドクは、賭博業者のコビーを訪れ、宝石泥棒の計画を語る。ふたりは暗黒街のボスであるエメリックの元を訪れ、協力の約束を取り付ける。ドクの指揮の下、首尾よく金庫を破り宝石を盗む事に成功するが…。メルヴィルが最も愛する犯罪映画の一本であり、『賭博師ボブ』以降の彼の作品でことあるごとに本作へのオマージュを示している。本作はメルヴィルだけではなく、『男の争い』（55）、『現金に体を張れ』（56）、『賭博荒し』（59）など、その後の強盗物に多大な影響を与えた傑作。冒頭から悔恨の雰囲気がそこかしこに漂い、それぞれの人物が後戻りできない下落への道を進んでいき、「チェーホフ的フィルム・ノワール」とも評される。

「（私の計算によると、）警官と犯罪者の関係にはドラマとして可能な19のヴァリエーションがあり、その19個の全てをジョン・ヒューストンの傑作『アスファルト・ジャングル』に見る事ができる。」ジャン＝ピエール・メルヴィル