『7月の物語』、『勇者たちの休息』が6/8 (土) ~6/28 (金)にユーロスペースにて公開されるギヨーム・ブラックを迎え、傑作ドキュメンタリー『宝島』を日本初上映し、同監督による「ヴァカンス映画」のセレクションをお届けします。「ヴァカンス vacances」の語源は、ラテン語の「vacans」、自由であること、空いていること(場所、家など)、あるいは仕事や役割を中断すること、空っぽになること…。真っ青な空、紺碧の海や湖、森の木漏れ日、電車の車窓、あるいはバイクの横に流れる風景の中に、空っぽな時間がさまざまな色、感情で溢れていくヴァカンスをスクリーンの中で共にすごしましょう!

 

特別ゲスト・企画協力: ギヨーム・ブラック (映画監督)
シネ・リセ 講師:須藤健太郎

「夏は、異なる方法で映画を撮るように導いてくれる。もっと自由に、もっと軽快に、より手作りの方法で撮るように。外で撮ることが多いので、照明はほとんど使わず、スタッフも限られた人数で、日中が長いので、ゆっくりと時間をかけることもでき、より気ままで自由に、遊び心を持って映画に取り組むことができる。それに思いがけない出来事に対してもより柔軟でいられる。例えば変化していく光や、突然響き渡る嵐にも。天気や光、人の群れ、夏は、現実がもたらすものにより臨機応変に対応することを可能にしてくれる。その意味で自ずとドキュメンタリー的なものとなり、生をとらえるのに適した季節だと言えるだろう。エリック・ロメールが撮る海辺のシーンがこれほど好きなのもそうした理由からだろう。つまり夏の休暇に来ている人々に混じって俳優たちを見ることで、ほとんど気づかぬまま、その周囲で続いている人々の生のたくさんの小さなディテールによってショットが豊かなものになっていくのだ。夏を、ヴァカンスを撮ること、それは、階級間の関係、労働の問題など社会的、政治的な現実に入っていくことでもあるが、余暇の時間であることで、そうした問題にもより何気ない方法でふれることになる。僕は数時間、あるいは数日の間に展開する物語、ほとんど上映時間と重なり合うような束の間の出会いが好きだ。そうしたささやかながら、深く心に残る、その後の人生に余波を残すような出来事を語る映画が好きなのだ。夏はそうした微妙な感情を描写するに打ってつけであり、今この時の歓喜、生き生きとした様子、あるいは、すでにそこにないもの、すでに失われたものへのメランコリー、憂愁の中へと観客を深く導いてくれる。」

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ギヨーム・ブラック

 

上映作品(予定):

  • 宝島(ギヨーム・ブラック、2018年)日本初上映
  • 日曜日の人々(エドガー・G・ウルマー、ロバート・シオドマーク、1930年)
  • ピクニック(ジャン・ルノワール、1936年)
  • 簪(清水宏、1941年)
  • ぼくの伯父さんの休暇(ジャック・タチ、1953年)
  • アデュー・フィリピーヌ(ジャック・ロジエ、1960年-1962年)
  • オルエットの方へ(ジャック・ロジエ、1969-71年)
  • 夏の妹(大島渚、1972年)
  • 緑の光線(エリック・ロメール、1986年)
  • 夏物語(エリック・ロメール、1996年)
  • 憂鬱な楽園(侯孝賢、1997年)
  • ミシュカ(ジャン=フランソワ・ステヴナン、2002年)
  • 私たちの好きな八月(ミゲル・ゴメス、2008年)
  • 湖の見知らぬ男(アラン・ギロディー、2013年)
  • ほとりの朔子(深田晃司、2013年)
  • 若き詩人(ダミアン・マニヴェル、2014年)ほか

 

ギヨーム・ブラック監督『7月の物語』(併映『勇者たちの休息』)
2019年6月8日(土)より、ユーロスペースにてヴァカンス・ロードショー!
また同劇場にてギヨーム・ブラック特集も開催。

 

 

主催:アンスティチュ・フランセ日本
助成:アンスティチュ・フランセパリ本部、ユニフランス
アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム オフィシャル・パートナー:CNC、笹川日仏財団、TV5 MONDE
フィルム提供及び協力:国立映画アーカイブ、アウラ、ブロードウェイ、アダンソニア、バティスフェール、一般社団法人コミュニティシネマセンター、クレスト・インターナショナル、レ・フィルム・デュ・ロザンジュ、マーメイドフィルム、ミッド・フィルム、日活株式会社、大島渚プロダクション、プレイタイム、シェラック、松竹株式会社、ジャン=フランソワ・ステヴナン、ジャック・ロジエ
特別協力: ユニフランス、ヴュッター公園

 

 

 

 

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  • 2019-06-07 - 2019-07-14
  • 開場:15分前
  • 一般:1200円 学生:800円 会員:500円
  • アンスティチュ・フランセ東京(03-5206-2500)
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
    15 新宿区市谷船河原町 東京都


ヴァカンス映画特集

2019-06-07 『日曜日の人々』+ ギヨーム・ブラックによるトークショー
2019-06-07 『宝島』+ ギヨーム・ブラックによるトークショー
2019-06-14 『ぼくの伯父さんの休暇』
2019-06-14 『憂鬱な楽園』
2019-06-15 『新学期』/『ピクニック』
2019-06-15 『私たちの好きな八月』
2019-06-16 『私たちの好きな八月』
2019-06-16 『ぼくの伯父さんの休暇』
2019-06-28 『憂鬱な楽園』
2019-06-28 『夏物語』
2019-06-30 『緑の光線』
2019-06-30 『ほとりの朔子』
2019-06-30 『犬を連れた女』/『若き詩人』
2019-07-04 『新学期』/『ピクニック』
2019-07-04 『オルエットの方へ』
2019-07-05 『緑の光線』
2019-07-05 『ほとりの朔子』
2019-07-06 『アデュー・フィリピーヌ』
2019-07-06 『犬を連れた女』/『若き詩人』
2019-07-06 『夏の妹』
2019-07-07 【シネ・リセ 若者向け映画講座】『アデュー・フィリピーヌ』
2019-07-07 『夏物語』
2019-07-11 『夏物語』
2019-07-11 『湖の見知らぬ男』
2019-07-12 『簪』
2019-07-12 『緑の光線』
2019-07-13 『夏の妹』
2019-07-13 『ミシュカ』
2019-07-13 『湖の見知らぬ男』
2019-07-14 『簪』
2019-07-14 『オルエットの方へ』
2019-07-14 『ミシュカ』