「現在、世界における主要な映画作家たちの作品の共同製作に参加するだけでは十分でなく、そうした作品が観客たちと出会うその重要な瞬間に寄り添い、映画作家たちとは実り豊かな対話を作り出していくことが重要です。」と語るオリヴィエ・ペール。彼は、シネマテーク・フランセーズにてプログラム編成を行いながら映画批評を書き始め、その後、カンヌ国際映画祭監督週間のディレクター、ロカルノ国際映画祭のアーティスティック・ディレクターを務めたのち、現在、フランスのみならず、ヨーロッパ、世界の映画作家たちが自分たちの作品を生み出すために、経済的のみならず、よき理解者として多大なる支援を続けている。フィルムからデジタルへ、映画館、映画祭のみならず配信でどこでも映画が見られる環境、資本主義社会の中で翻弄されていく映画というアートの現在、現在、映画を見せること、語ること、そして製作すること、そこにはどのような有機的なつながりがあるのか、あるいはありえるのか、話をお聞きする。

講師:オリヴィエ・ペール

聞き手:土田環

 

 

 

 

 

オリヴィエ・ペール

1971年フランス生まれ。ソルボンヌ大学で文学を学んだ後、シネマテーク・フランセーズで、シネマテークの上映プログラムの企画に携わる。その一方で、「レ・ザンロキュプティーブル」誌などで映画批評を執筆。2004年から2009年まで、カンヌ国際映画祭監督週間のディレクターを務め、2008年から2012年までロカルノ国際映画祭のアーティスティック・ディレクターを務めた。同映画祭のディレクション中、富田克也の『サウダージ』、三宅唱の『Playback』などがコンペティションに選ばれ、2012年には青山真治に金豹賞(グランプリ)審査員特別賞が贈られた。2012年以降はアルテ・フランス・シネマのディレクターを務め、フランスをはじめ、世界中の映画作家の作品を支援し、共同製作している。またアルテのサイト(http://www.arte.tv/sites/olivierpere/)にて定期的に映画評も執筆し続けている

 

 

土田環

早稲田大学基幹理工学部 講師(専任)
1976年、東京都生まれ。学生時代より自主上映の企画・運営、内外の映画祭プログラム、ARTEのドキュメンタリー映画、ジャン=ピエール・リモザンなど、フランスをはじめとする海外との映画製作業務に携わる。山形国際ドキュメンタリー映画祭では「映画に(反)対してーギー・ドゥボール特集」「共振する身体―フレディ・M・ムーラー特集」「Double Shadows/二重の影」などの特集上映のプログラムを担当するほか、「Sputnik YIDFF Reader」のディレクターを務める。編著書に『ペドロ・コスタ 世界へのまなざし』(せんだいメディアテーク)、『こども映画教室のすすめ』(春秋社)など。

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  • 2020-03-14 - 2020-03-14
  • 13:00
  • 12:45より先着順にご入場頂きます。
  • 入場無料
  • アンスティチュ・フランセ東京(03-5206-2500)
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
    15 新宿区市谷船河原町 東京都

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