(フランス/1914-1915/モノクロ/サイレント・ピアノ伴奏付き)

監督:ルイ・フイヤード
出演:エドゥアール・マテ、ミュジドラ、マルセル・レヴェスク

第一次世界大戦中に製作され、フランスで大成功を収めた連続活劇映画。パリで次々と起こる怪事件、その背後にギャング団〈ヴァンピール(吸血鬼たち)〉の存在があることを知った新聞記者フィリップは、ヴァンピールの正体を突き止めるべく孤軍奮闘。さらに催眠術師モレノも加わって、1910年代のベル=エポックのパリを舞台に大犯罪絵巻が繰り広げられる。当時、ヴァンピールの女首領イルマ・ヴェップが人気を呼び、役を演じた女優、ミュジドラをシュルレアリストたちが絶賛した。

 

第9話 毒の人

フィリップ・ゲランドはジェーン・ブレモンチエとの婚約を準備する。ヴァンパール一味はこの機会に最も苦手な敵を排除しようとする。彼らは式で出されるシャンパンに毒を盛る。管理人は手助けをしたご褒美にシャンパンを受け取り、結局、この陰謀の犠牲者となる。彼の妻が招待客へ警告し、彼らは助かる。フィリップは家族をパリから離れた安全な場所に連れて行こうとする。しかし、イルマ・ヴェップはフィリップの後を追う。彼女はフィリップに捕まり、ヴァンパ-ルの新しいリーダーであるヴェネノスによって解放される。1916年6月12日公開。(60分)

 

第10話 血に染まった結婚

フィリップはジェーンと結婚した。毒殺された管理人の未亡人オーギュスティーヌ・シャルレが若い二人に仕えるようになる。ヴァンピールたちはフィリップとジェーンが眠っている間に窒息させようとする。マザメットがそこに再び介入。しかし、悪党どもはまだ最後の言葉を残していた。彼らはマザメットが恋したオーギュスティーヌとジェーンを誘拐することに成功する。ヴァンピールたちはイルマ・ヴェップとリーダーのヴェネノの結婚式を祝っていたが、警察が彼らの隠れ家を包囲し、ヴェネノとイルマ・ヴェップは襲撃を受けて死亡する。1916年6月30日公開。(68分)

『レ・ヴァンピール』の興行は1920年頃に終った。本作は、ゴーモンが古いフィルムを置いていたワイン商の倉庫で眠っていた。フイヤードの作品は、1938年に再び現れ、回収業者に売却された。その2年前にシネマテーク・フランセーズを設立したばかりのアンリ・ラングロワは、『レ・ヴァンピール』のフィルムのリールを「舗道で」発見した。フィルムはほぼ全部残っていたが、フイヤードが撮影した素材だけが存在し、後から撮影され編集されたインサートやインタータイトルはなかった。シネマテークでは何十年もの間、『レ・ヴァンピール』』をインタータイトルなしで上映していた。そのため、プロットは当初意図されていなかった不明瞭な側面を持つことになった。1984年、ルイ・フォイヤードの孫であるジャック・シャンプルーの指揮のもと修復され、その際、約700のインサートとインタータイトルが再構成された。

*ピアノ伴奏付き(柳下美恵)

 

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  • 2023-03-26 - 2023-03-26
  • 17:00
  • 開場:15分前
  • 1,000円 ※チケットは Peatix にて3/9(木)15時より販売いたします。
  • 東京日仏学院(03-5206-2500)
  • 上映開始10分後以降の入場は、他のお客さまへの迷惑となりますので、お断りいたします。
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
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