(フランス/1915-1916/モノクロ/サイレント・ピアノ伴奏付き)

監督:ルイ・フイヤード
出演:エドゥアール・マテ、ミュジドラ、マルセル・レヴェスク

<吸血鬼たち>を意味するレ・ヴァンピールと呼ばれるギャング団が出没する1910年代のパリ。ベル=エポックのこの美しい都会で繰り広げられる、不思議な犯罪の大長編絵物語。

パリの新聞社に勤務するフィリップ・ゲランドは、頻発する怪事件を捜査してゆく中で、これらの事件がヴァンピール一味によって仕組まれていることを知る。この不思議なギャング団のボスは大ヴァンピールと呼ばれており、変装の名人で、様々な人間に成りすまして、金品の強奪や殺人を繰り返す。このギャング団のミューズはイルマ・ヴェップという女性で、彼女は黒い全身タイツを身にまとい、館の内部に忍び込んで大ヴァンピールから受けた指令を遂行する。一方、ヴァンピール一味とはまた別に、モレノとという催眠術を得意とする悪漢のグループが似たような凶悪犯罪を展開させ、新聞記者フィリップ・ゲランドを取り巻く状況は、さながら不条理な悪の迷宮のような様相を呈してくる。1915年から1916年にかけて製作・上映された連続映画「レ・ヴァンピール」は第一次世界大戦中の、フランス映画にとっては危機的状況の中にあって、その想像を超えるような物語展開によって大成功を収めた。当時、ヴァンピールの女首領イルマ・ヴェップが人気を呼び、役を演じた女優、ミュジドラをシュルレアリストたちが絶賛した。

 

第4話 幽霊

ヴァンパールたちはルヌー=デュヴァル銀行の代理人であり、大金を振り込むはずだったメタディエを暗殺する。彼らの前に腕利きの強盗、モレノという手ごわいライバルが現れる。1916年1月7日公開。(38分)

第5話 死者の逃亡

フィリップに捕まったモレノは投獄されるも、死んだふりをして脱出に成功する。彼はフィリップを誘拐するが、ヴァンピール一味に関する情報を提供する代わりにフィリップを生かす。大ヴァンピールはモルテザイグ男爵に扮し、ヌイイにある物件に裕福な客人を集める。彼らは窒息死させられ、盗賊に襲われてしまう。しかし、モレノは再び組織を騙すことに成功し、戦利品を手に入れる。1916年1月28日公開。(45分)

第6話 幻惑する眼

ヴァンピールたちは、フォンテーヌブローにあるグラン・ヴェヌールのホテルに住み着いた。大ヴァンピールはド・ケラー大佐、イルマ・ヴェップはその息子を装っている。アメリカの大富豪ジオ・ボールドウィンの紙幣が詰まった箱は、ヴァンピールたちとモレノが欲しがっている。モレノは催眠術を使い、イルマ・ヴェップを自分の意思に従わせ、愛人にする。彼の支配下にいたイルマ・ヴェップは銃で大ヴァンピールを撃ち殺す。(72分)

「スタジオに着いても、私たちは何をするのか全然わからないことがありました。でも、フイヤードさんが教えてくれるんです。時にはポケットから紙を取り出し、そこにメモを取ることもありましたが、シーンを撮影している時、彼の頭の中に何があるのか、誰も知らないこともありました」。ミュジドラ

 

 

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  • 2023-03-25 - 2023-03-25
  • 14:30
  • 開場:15分前
  • 1,000円 ※チケットは Peatix にて3/9(木)15時より販売いたします。
  • 東京日仏学院(03-5206-2500)
  • 上映開始10分後以降の入場は、他のお客さまへの迷惑となりますので、お断りいたします。
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
    15 新宿区市谷船河原町 東京都

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