アケルマン美学の真髄に迫る珠玉の4本が東京日仏学院エスパス・イマージュにて限定上映されます。「史上最高の映画100」でベストワンに選出された『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コルメス河畔通り23番地』、その舞台裏を追ったドキュメンタリー『ジャンヌ・ディエルマンをめぐって』、さらには現実と虚構の境界を鮮やかに飛び越える『アメリカン・ストーリーズ』、遺作『ノー・ホーム・ムーヴィー』。5/7 (日)『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コルメス河畔通り23番地』上映後にはトークショーも予定しております。

 

上映作品:

ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地 Jeanne Dielman, 23, quai du Commerce, 1080 Bruxelles

監督・脚本:シャンタル・アケルマン 撮影:バベット・マンゴルト

出演:デルフィーヌ・セイリグ、ジャン・ドゥコルト、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ

1975年 / ベルギー /カラー / 200分  © Chantal Akerman Foundation

ジャンヌは思春期の息子と共にブリュッセルのアパートで暮らしている。湯を沸かし、ジャガイモの皮を剥き、買い物に出かけ、“平凡な”暮らしを続けているジャンヌだったが……。アパートの部屋に定点観測のごとく設置されたカメラによって映し出される反復する日常。その執拗なまでの描写は我々に時間の経過を体感させ、反日常の訪れを予感させる恐ろしい空間を作り出す。ジャンヌを演じるのは『去年マリエンバートで』(61)、『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』(72)のデルフィーヌ・セイリグ。本作は2022年、英国映画協会が10年ぶりに更新した「史上最高の映画100」にて1位に選ばれた。

 

ジャンヌ・ディエルマンをめぐって Autour de Jeanne Dielman

監督・撮影:サミー・フレイ

出演:シャンタル・アケルマン、デルフィーヌ・セイリグ

1975年 / フランス / モノクロ / 78分

映画界に革命を起こした傑作『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コルメス河畔通り23番地』。本作はその現場を主演のデルフィーヌ・セイリグの恋人であったサミー・フレイが撮影、アケルマン自身が編集したドキュメンタリー。仕草や場面の意味を何度も問いかける大女優、セイリグとそれに応えるアケルマン、何度も重ねられる二人の会話やスタッフの女性たちとのやりとりは必見!傑作が創られるまでの興味深い過程と情熱に加え、映像グループ「服従しないミューズたち」を結成し、自身もカメラを取って活動していたフェミニスト、セイリグの生き方や志も強く焼きついている。

 

アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学 Histoires d’amérique:Food,Family and Philosophy

監督・脚本:シャンタル・アケルマン 撮影:リュック・ベンハム

出演:モーリス・ブレナー、デイビッド・バンツマン、ジュディス・マリナ、エスター・バリント、

1989年 / ベルギー・フランス / カラー / 91分

まるで『家からの手紙』(’76)からのバトンのような、霧の中のニューヨーク湾から始まり、夜の摩天楼が映し出される。次々にフレーム内に現れては自分のエピソードを語り、去っていく老若男女。彼らは皆ヨーロッパからやってきたユダヤ系の人々だ。記憶を手繰りながら時にユーモラスに、辛辣に語られていく彼らの幸福や悲しみ、それぞれの<アメリカン・ストーリー>。語り手たちは、実際にニューヨークに住むユダヤ人俳優によって演じられた。

 

ノー・ホーム・ムーヴィー No Home Movie

監督・撮影:シャンタル・アケルマン

2015年 / ベルギー・フランス / カラー / 112分

ポーランド系ユダヤ人であるアケルマンの母親の日常をアケルマン自身が撮影、ブリュッセルのキッチンで、時にはテレビ電話越しの会話で語られるのはささやかな日々の出来事や家族の思い出、そしてアウシュヴィッツ収容所で過ごした母の記憶。母は編集作業中に亡くなり、アケルマンも本作が完成した後にこの世を去った。女性たちの姿を描き続けた彼女が最後に探求した自らのアイデンティティとは。深い痛みと愛情に満ちたドキュメンタリー。

 

上映スケジュール

シャンタル・アケルマン映画祭オフィシャルサイト

 

イベント開催

★5/7(日)10:30

『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コルメス河畔通り23番地』上映後

登壇者:竹中万季さん (me and you/編集者)/ 野村由芽さん (me and you/編集者)

★5/13(土)17:00~18:30

映画のアトリエ 「映画作家シャンタル・アケルマン、家からの便り」

講師:坂本安美  申し込み方法はこちらのページをご覧ください。

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  • 2023-05-06 - 2023-05-21
  • 00:00
  • 開場は上映開始の15分前、整理番号順にご入場頂けます。お席は自由席となっております。
  • 一般1,300円/アンダー30割:1,000円 *teketにてご予約頂けます。当日券も各回10枚ずつご用意しております(当日の初回30分前より発売開始。現金でのみ購入可能)。
  • マーメイドフィルムTEL:03-3239-9401
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
    15 新宿区市谷船河原町 東京都

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