フレデリック・プイヨード(エクス=マルセイユ大学)講演会
舞踏と振付作品−室伏鴻の「苛烈な無為」を巡って
モデレーター:越智雄磨(早稲田大学坪内博士記念演劇博物館招聘研究員)

 

日時:2019年2月27日(水)19時~21時
会場:アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
入場料:一般1000円、学生・会員無料
同時通訳付
(30分前よりチケット販売・整理券配布)

フレデリック・プイヨードは、『振付の無為–ダンスにおける作品概念についての研究』において、「無為」という概念からダンスの哲学的、実践的な分析を行った。今回、室伏鴻アーカイブの招待を受け、この講義では無為と舞踏との関連性、特に室伏鴻の作品と書き残したものについて論じる。舞踏の始祖、土方巽は室伏鴻のダンスを「苛烈な無為」と称した。「無為」という概念は、室伏にとって、修験道に強く共鳴した青年期から、後年のジョルジュ・バタイユ、モーリス・ブランショ、ジャン=リュック・ナンシーらによる書物を愛読していた時期に至るまで、常に思索の対象であったことは明らかである。この「無為」と室伏鴻という二重のフィギュールを通して、フランスと日本の相互文化的な対話と交錯の有り様が検討されることになるだろう。

 

フレデリック・プイヨード(エクス=マルセイユ大学)
クラシックとコンテンポラリーダンス の養成を受けた後、フレデリック・プイヨードはユルム通りのエコール・ノルマル・スペリユールに入学した。哲学の教授資格を取得後、パリ・ソルボンヌ大学で10年以上にわたり美学と哲学の講師を担当。フランス学士院名誉会員。以後、エクス=マルセイユ大学の美学の教授を務める。著作に『振付の無為—ダンスにおける作品概念についての研究』(Paris, Vrin, 2009)、アンヌ・カイエとの共著に『ドキュメンタリー芸術—その美学、哲学、倫理的な争点について』(Rennes, PUR, 2017)がある。


室伏鴻

1947年生まれ。69年土方に師事。72年、麿赤兒(まろあかじ)らと「大駱駝艦(だいらくだかん)」の創立・旗揚げに参加し、数多くの舞台に出演する一方、女性だけの舞踏集団「アリアドーネの会」をプロデュース。76年、福井県五太子町に劇場「北龍峡」を開き、舞踏派「背火(せび)」を立ち上げる。78年パリで上演した『最期の楽園-彼方の門-』は1か月のロングランとなり、日本の「舞踏」が世界の「BUTOH」として認知されるきっかけになった。以後ヨーロッパや中南米を中心に意欲的活動をしたのち、2000年から本格的に日本での活動を再開。03年に若手メンバーを加えたユニット「Ko & Edge Co.」を立ち上げる。ヴェネチア・ビエンナーレなど国際的な舞台で発表する傍ら、アンジェ国立振付センターなどで指導者としても活躍。2015年6月、南米ツアー中にメキシコにて逝去。

 

共同主催:越智雄磨、一般社団法人Ko & Edge/室伏鴻アーカイブ

02
27
  • 2019-02-27 - 2019-02-27
  • 19:00
  • 03-5206-2500(アンスティチュ・フランセ東京)
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
    15 新宿区市谷船河原町 東京都