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インスタレーション『All Over』
サミュエル・ビアンキーニ
アンスティチュ・フランセ東京 ギャラリー

 

『All Over』はインターネットを使ったアート作品です。初期のコンピューターで使われた表示方法「アスキーアート」のように、文字のみを使った一連のイメージです。しかしながら本作品では、イメージを構成する数字や文字はダイナミックに変化し続けています。というのも、イメージは世界の株価指数の変動に従ってリアルタイムに生成されているからです。元来静止したものである写真が、こうして金融取引の動きに応じて変化します。つまり写真の糧であると同時に写真を乱すものでもあるのです。表示システムによって不安定化したイメージは、その意味するものも曖昧になります。デジタルと金融、二つの表示方法の間で、キャプションの無いこれらのイメージは、絶えずその可視性と不確かな現実を求めて闘っているかのようです。これらのイメージは私たちに何を見せているのでしょうか?デモ、投機家、サポーター、政治的または宗教的集会でしょうか?

サミュエル・ビアンキーニ 『All Over』
オンラインアートワークおよびインスタレーション(2009年)
技術開発:ウサマ・ムバラック
製作:le Jeu de Paume
キュレーション:マルタ・ポンサ
協力:Corbis France
http://allover.dispotheque.org

 

サミュエル・ビアンキーニ Samuel Bianchini
パリ在住アーティスト。フランス国立高等装飾美術学校(ENSAD)教員/研究員、パリPSL Research University所属。
2016年、Erik Verhagenとの共同ディレクションで『Practicable – From Participation to Interaction in Contemporary Art』(MIT Press)を刊行。3月17日にはアンスティチュ・フランセ東京にて出版記念シンポジウムが開催される。
https://mitpress.mit.edu

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  • 2017-02-10 - 2017-03-19
  • 入場無料
  • 03-5206-2500(アンスティチュ・フランセ東京)
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
    15 新宿区市谷船河原町 東京都

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