フランス映画の秘められた側面としての幻想映画
フランスでは「幻想映画」への様々な試みが行われてきたが、フランス特有の「幻想映画」のジャンルは作り出されてこなかった。しかしだからといって、フランス映画が哲学的だったり、自然主義的だったりする作品だけを作ってきたわけではない。確かに得意分野ではないとしても、夢幻的、空想未来的、奇怪な世界、そしてときには恐怖映画に挑戦することで、フランス映画は「幻想映画」というジャンルの新たな定義を提案している。
ロマンティックで、日常の親密な要素で構成され、ジャンルのルールをあえて破壊する…こうした特徴のフランス幻想映画はしっかりと息づいているのだ。
ルイ・フイヤード、カール・ドライヤー、ピレール・カスト、クロード・シャブロル、ロマン・ポランスキー、F.J.・オッサン、そして甘美なるジャン・ローランの吸血鬼映画、それらの作品とともにフランスの幻想映画史を辿ってみたい。
ステファン・デュ・メスニルド
映画批評家。「カイエ・デュ・シネマ」誌同人。パリのケー・ブランリー美術館での映画顧問。
主な著作:『ジェス・フランコ、幻想のエネルギー』、『日本映画の亡霊たち』、『曇った鏡 -吸血鬼映画のある歴史』
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- 2016-10-26 - 2016-10-26
- 17:00
- 開場:20分前
- 入場無料/16hより2Fエスパス・イマージュ前にて整理券を配布いたします。
- アンスティチュ・フランセ東京(03-5206-2500)
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