フィリップ・ガレルやジャック・ドワイヨンらと共にポスト・ヌーヴェル・ヴァーグの監督として知られるジャン・ユスターシュ。その高名さとは裏腹にその生涯や作品はまだまだ謎に包まれています。今回、『評伝ジャン・ユスターシュ——映画は人生のように』(著者:須藤健太郎/共和国)の刊行を記念し、伝説の映画作家ユスターシュの作品を一挙上映いたします。

 

2019年のジャン・ユスターシュ特集に寄せて
「私がユスターシュを知ったのは、2001年のことだ。大学生だった。
はじめに見たのは『ママと娼婦』。衝撃のあまり、見終えて呆然としたことをよく憶えている。
これは全部見なければと思い、『わるい仲間』を、『サンタクロースの眼は青い』を、『ぼくの小さな恋人たち』を、『不愉快な話』を、『アリックスの写真』を見た。まだ桜丘町にあったユーロスペースでの特集だった。
その2年後、私は大学院生になっていた。2003年、アンスティチュ・フランセ東京で今度は未見のドキュメンタリーも上映されると聞いて、慌てて駆けつけた。
まさか『ナンバー・ゼロ』を見られる日が来るなんて。
2作の『ペサックの薔薇の乙女』を見て、『豚』を見て、『求人』を見て、『ヒエロニムス・ボスの《快楽の園》』を見て、自分のなかのユスターシュ像は一変したと思う。でも、それをうまく言葉にできなかった。
あれから15年以上が過ぎた。そろそろ映画もまた新しい観客を求めているだろう。
今回の特集は、かつての特集を当時と同じ会場で一気に再現するものだ(一方は移転し、他方は改称したとはいえ)。各作品紹介にも、2003年当時の掲載文(エマニュエル・ビュルドー執筆)が借りられている。
もう一度、同じことが繰り返されるために。いかにもユスターシュ的だ。私はついそんなことを思う。」(須藤健太郎)

 

◆第二部:5月11日、12日、18日、19日 会場:アンスティチュ・フランセ東京
第二部は日程が変更になりました。ご注意ください。
5月19日、6月1日、2日

 

 

ジャン・ユスターシュ特集 ‐映画は人生のように-
主催:アンスティチュ・フランセ日本
共催:ユーロスペース
助成:アンスティチュ・フランセパリ本部、ユニフランス
アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム オフィシャル・パートナー:CNC、笹川日仏財団、TV5 MONDE
フィルム提供及び協力:ボリス・ユスターシュ、シネマヴェーラ渋谷、(株)共和国、フランス国立視聴覚センター、須藤健太郎

 

 

 

 

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  • 2019-05-19 - 2019-06-02


ジャン・ユスターシュ特集 ‐映画は人生のように-

2019-05-19 『生きるべきか死ぬべきか』
2019-05-19 『現代の映画作家シリーズ 我らの親父ジャン・ルノワール』 第1部「相対性の探求」/第2部「ミシェル・シモン、演技指導」
2019-05-19 『現代の映画作家シリーズ 我らの親父ジャン・ルノワール』第3部「規則と例外」
2019-06-01 『ペサックの薔薇の乙女79』/『ペサックの薔薇の乙女』
2019-06-01 『ナンバー・ゼロ』
2019-06-01 『豚』/『ヒエロニムス・ボスの《快楽の園》』/『求人』
2019-06-02 『豚』/『ヒエロニムス・ボスの《快楽の園》』/『求人』
2019-06-02 『ペサックの薔薇の乙女79』/『ペサックの薔薇の乙女』
2019-06-02 『ナンバー・ゼロ』