ロカルノ映画祭で金豹賞と女優賞を受賞した最新作『ヴィタリナ(仮題)』が第20回東京フィルメックスの特別招待部門で上映されるポストガルの鬼才、ペドロ・コスタを迎え、日本ではなかなか上映される機会のない初期の作品2本、『血』と『溶岩の家』を上映します。『溶岩の家』上映後には、ペドロ・コスタと、やはりロカルノ映画祭にて最新作『旅のおわり、世界のはじまり』が特別上映された世界の認める日本の映画監督、黒沢清による対談を予定しております。

 

15:45『血』 
(1989年/モノクロ/95分/ポルトガル)
監督:ペドロ・コスタ
出演:ペドロ・エストネス、ヌーノ・フェレイラ、イネス・デ・メデイロス、ルイス・ミゲル・シントラ ほか

 

クリスマスの近づくある冬の夜、父親の行動に疑いを持つ青年ヴィセンテは彼を薬で殺し、恋人クララともに、遺体を埋める。そのことを弟ニーノに伝えないまま生活を続けようとするが、父の消息を尋ねる男たちや伯父によってそれは崩れていく。フィルム・ノワールを思わせるようなモノクロームの映像の中で、不安に苛まれながら生きる若者たちの表情が浮かび上がる。ペドロ・コスタ長編処女作。

 

一般:1200円 学生:800円 会員:500円 ※前売り券は Peatix にて11月20日15時よりご購入いただけます。

 

 

18:00『溶岩の家』
(1994年/カラー/110分/ポルトガル=フランス=ドイツ)
監督:ペドロ・コスタ
出演:イネス・デ・メデイロス、イサック・デ・バンコレ、エディット・スコブ、ペドロ・エストネス

 

看護婦のマリアーナは、リスポンの工事現場で意識不明となった男レオンに付き添って彼の故郷カーポヴェルデ島に向かうが、ヘリコプターがもどるまでその島の病院にとどまることを余儀なくされる。予期しない滞在のなかで島の人々ともつながりができていくものの、回復するにつれ傲慢な振る舞いを見せるレオンに失望する。荒々しい色彩と感情に彩られた作品。『顔のない眼』などジョルジュ・フランジュの映画に数多く出演し、レオス・カラックスの『ホーリー・モーターズ』での出演が記憶に新しいエディット・スコブ、今年6月にこの世を去った伝説的女優が特別出演している。

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「この映画の出発点にあったのは、1991年から93年のポルトガルの政治や社会状況への嫌悪だ。ポルトガルの外で映画を撮ること……。最初の脚本についての漠然とした記憶は小説的なもので、エキゾチックな、ジャック・ターナーの『ブードゥリアン』(1943)、コンラッドの小説『ロード・ジム』、フリッツ・ラングの映画の模倣のようなものだった。(…)私にとって政治は隠されたもの、口を塞がれ、売られた人々の手がかりのない暗い廊下、死の廊下だ。私がもっと興味があるのは、しるしであり、皮膚だ。それがエディット・スコブとやりたかったことだ。彼女は沈黙の偉大な貯蔵庫なんだ。」(ペドロ・コスタ)

★上映後、ペドロ・コスタと黒沢清による対談を予定しています。

 

一般:1200円 学生:800円 会員:500円 ※前売り券は Peatix にて11月20日15時よりご購入いただけます。

 

 

 

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  • 2019-12-03 - 2019-12-03
  • 開場:15分前  
  • 一般:1200円 学生:800円 会員:500円 前売券はPeatixにて11月20日15時より発売予定。上記リンクよりご確認ください。各回入替制。
  • アンスティチュ・フランセ東京(03-5206-2500)
  • 当日のチケット販売は、残券がある場合に限ります。販売時間:上映当日各回の30分前から上映開始10分後まで。チケット販売時間内には、当日すべての回のチケットをご購入いただけます。全席自由。整理番号順での入場とさせていただきます。また、上映開始10分後以降の入場は、他のお客さまへの迷惑となりますので、固くお断りいたします。
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
    15 新宿区市谷船河原町 東京都