creationinfluence

響き合う創造

日本とつながる28人のフランス人クリエーター

 

展示期間:2018年11月11日(日)~1126日(月)9:30~17:30
会場:東京都美術館 ギャラリーB
入場:無料

 

フランスと日本、とりわけ、パリと京都の間には、特別な結びつきがあります。日本が放つ魅力は大きく、日本文化は西洋のクリエーターたちを魅了し続けています。

19世紀の西洋の美術市場における日本の美術品の登場は、西洋の芸術家たちの芸術表現に斬新で革新的な視野をもたらしました。浮世絵版画がフランスにジャポニスムを広めるのに大きく貢献し、この異なる美学の発見は20世紀の芸の展開にも深い影響を与えました。今日、フランスのクリエーターたちは、日本に赴く前に既に日本の美的な信条や原則をよく知っています。この主題に関する書籍に事欠くことはなく、飾り気のないシンプルさを尊ぶ「簡素」や、不均衡と不規則さの生み出す美を愛でる「不均整」、長い時が過ぎたことを感じさせる古びた物を称える「侘び寂び」といった美学は、フランス人にも親しいものとなりました。また、フランスは日本に次ぐ第二の漫画市場であり、フランスの若いクリエーターたちは、日本の漫画からもヒントを得ています。日本の最新のテクノロジーや先端産業と並んで、日本文化の表現センス、詩的感性、自然との関係がフランスで称賛されています。

この手で触れることのできない結びつきを、魅惑を、魅力を、どうしたら示すことができるでしょうか。

文化遺産、伝統工芸職人の技量、文学、料理といった分野は、フランスと日本における双方向の関心の中心となっています。フランスのクリエーターたちにとって、技法のそれぞれが色彩、質感、美的効果、あるいは儀式に結びついている日本の伝統工芸技術の無尽蔵の宝庫から学びとることは、創作への新たな視野を得られるという意味でも非常に魅惑的です。デザイン、モード、伝統工芸といった分野では、日本と同様にフランスでも伝統を尊重しつつも現代的な刷新を取り入れた作品が生み出されています。これらのクリエーションは、あらゆる分野に拡散した日本への魅惑を具体的に体現するものであり、芸術表現と卓越した技法が両立する様を目に見える形にし、フランスと日本の文化の間に存在する釣り合いのとれた関係を象徴しています。

日本を想うということは、日本文化のコード、美に対する信条、その用い方を学び、理解することです。日本から取り入れるということは、言語という障壁を超えて異なる文化の中に身を浸し、現代的な技術、あるいは継承者がなくなりつつある貴重な伝統工芸技術を習得することです。日本を再解釈するということは、既存の技術を見直し、方向転換し、異なる技術を取り込み、両者の力強い融合を生み出すことです。

日本文化に身を浸し、学び取る体験は、忘れがたい経験があってこそ可能になります。ヴィラ九条山1 は、フランスのクリエーターたちに、京都に滞在し、そうした経験をする機会を提供している唯一の機関です。さらに「京都コンテンポラリー」プロジェクト 2によって、約40人のパリのデザイナーたちが京都の職人たちに会いに行き、実り多い交流を行いました。

本展は、こうした派遣制度の恩恵を受けたクリエーターたち、パリ市クリエーション・グランプリを受賞したクリエーターたち、アトリエ・ド・パリのレジデントたちの作品を一堂に会したものです。

これらの作品は、フランスと日本の間で美的・文化的・経済的な架け橋の役目を担っているクリエーターたちが交わし続ける対話の豊かさと、そこから生まれる新たな価値を示してくれるでしょう。

 

1ヴィラ九条山はアンスティチュ・フランセ日本が運営するアーティスト・イン・レジデンスで、ベタンクール・シュエーラー財団とアンスティチュ・フランセの支援を受けています。

2「京都コンテンポラリー」プロジェクトは、2013年から2018年まで京都市が主催し、助成したプロジェクトで、2015年から2018年にはパリ市も支援を提供しました。

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  • 2018-11-11 - 2018-11-26
  • 09:30 - 17:30
  • Musée d'art métropolitain de Tokyo
    8-36 Uenokoen, Taitō, Tokyo 110-0007 Tokyo

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