(フランス/1971年/112分/カラー/デジタル/日本語字幕)

監督:クロード・ソーテ

出演:ロミー・シュナイダー、ミシェル・ピコリ、ジョルジュ・ウィルソン、フィリップ・レオタール、ボビー・ラポワント、フランソワ・ペリエ

上映後、岡田秀則によるレクチャーあり

 

裕福な家庭の出身で、金銭的心配からは解放されているが孤独な男マックス、彼は悪事を働く者たちを逮捕するという執念をひたすら燃やしていた。予審判事だったマックスは、証拠不十分で容疑者を釈放せざるを得なかったという悔恨から辞職、刑事に転職するも、ふたたび銀行強盗を取り逃がしてしまう。この新たな失態を前に忌々しい思いでいるその時、兵役時代の旧友アベルにばったり出くわす。アベルは「くず鉄業者」を名乗りながら、ナンテールでチンピラ仲間たちと車や廃品などをくすねて、生計を立てている。マックスは銀行の支配人であると偽り、アベルの恋人である美しい娼婦リリーに近づき、アベル達が銀行強盗を謀るよう巧妙な罠をしかけていく。しかしマックスとリリーの間には徐々に親密な気持ちが生まれ始めていた…。日本未公開作(『はめる 狙われた獲物』というタイトルでビデオ発売のみされている)、今回はデジタルリマスター版での初上映。

 

「『マックスとリリー』はソーテの最高傑作ではないだろうか、とにかく私にとってはそうだ。主人公のマックスはある意味ふたつの職を持っていて、それに相応しい“身なり”をしなければならない。刑事でありながら、彼は自分のことを判事だと思い続けているのだから。三つ揃いの背広をまるで聖職者の衣服のように纏っている。ラストシーンでその身なりを脱ぎ捨てた時、彼はぎりぎりのところに身を置く。愛する女を抱きしめるか、それとも自ら命を絶つか。どうしてあんな演技ができたのか分からない。ソーテとロミー・シュナイダーのおかけだろう。あれほどまでに短い時間でどうしたら完全なる抑制から放埒なる行動へと移行できるのか?それこそ私が求め、好んでいることだ」–ミシェル・ピコリ

 

岡田秀則 Hidenori Okada
1968年生まれ。国立映画アーカイブ(旧:東京国立近代美術館フィルムセンター)
主任研究員として、映画のフィルム/関連資料の収集・保存や、上映企画の運営などに携わり、2007年からは映画展覧会のキュレーションを担当。また内外の映画史を踏まえた論考、エッセイを多数発表している。著作に『映画という《物体X》』(森話社)、共著に『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(森話社)など。

 

ミシェル・ピコリ追悼特集 上映スケジュール

10.3(土) 14:00 軽蔑 Le Mépris (105分)

上映前、坂本安美による特集紹介あり

16:20 いぬ Le Doulos (108分)
18:30 五月のミル Milou en Mai(108分)
10.4(日) 14:00 パッション Passion(88分)
15:50 犯罪の系譜 Généalogies d’un crime(114分)
18:10 五月のミル Milou en Mai(108分)
10.10(土) 14:00 いぬ Le Doulos(108分)
16:10 軽蔑 Le Mépris(105分)
10.11(日) 14:00 都会のひと部屋 Une chambre en ville(95分)
16:00 マックスとリリー Max et les Ferrailleurs (112分)

上映後、岡田秀則によるレクチャーあり

 

 

★入場料金

一般:1500円/大専1200円/シニア1100円/高校以下、ジャック&ベティ会員、アンスティチュ・フランセ会員:1000円/アンスティチュ・フランセ横浜会員は、ポイントカードの3ポイントで1回無料(当日提示)

開場時間:10分前

 

★チケット販売

チケットは、劇場HP(オンライン)・窓口共に、ご鑑賞日の3日前から指定席で発売します。

10
11
  • 2020-10-11 - 2020-10-11
  • 横浜シネマ・ジャック&ベティ
    〒 231-0056
    中区若葉町3-51 横浜市

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