作家紹介

 

作家であり、文学の高等教育教授資格を持つローラン・ビネは、10年間セーヌ・サン・ドニの中学高校の教師を務めるとともに、パリの複数の大学でも授業を担当した。2010年度に発表の小説『HHhH―プラハ、1942年』(グラッセ社刊行)により2010年度ゴンクール賞最優秀新人賞を受賞。邦訳は2013年に東京創元社より出版される。続いて2015年に発表された小説『言語の第七の機能』は、アンテラリエ文学賞を受賞、2019年に発表されたCivilizationsはアカデミー・フランセーズ小説大賞を受賞。この3作品ともに、多数の言語に翻訳されている


オンライン対談 ローラン・ビネと平野啓一郎

10月31日(土)

18:00 – 19:30

(最長20時まで)

 

ローラン・ビネと平野啓一郎という、その作品において歴史的、社会的問題に妥協せずに取り組んできた二人の作家がこのイベントで出会います。彼らは 既成概念を超えて、そこに新しい視点から光をあてることを試みています。対談では文芸評論家の佐々木敦が、特に歴史と文学の繋がりについて問いかけながら司会を務めます。

 

撮影:瀧本幹也

平野啓一郎

1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒。
1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。40万部のベストセラーとなる。
以後、一作毎に変化する多彩なスタイルで、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。
著書に、小説『葬送』、『滴り落ちる時計たちの波紋』、『決壊』、『ドーン』、『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』、『マチネの終わりに』、『ある男』等、エッセイ・対談集に『私とは何か 「個人」から「分人」へ』、『「生命力」の行方~変わりゆく世界と分人主義』、『考える葦』、『「カッコいい」とは何か』等がある。
2019年に映画化された『マチネの終わりに』は、現在、累計58万部超のロングセラーとなっている。
2019年9月から2020年7月末まで、北海道新聞、東京新聞、中日新聞、西日本新聞にて、長編小説『本心』連載。2021年、単行本発売予定。

 

 

対談はアンスティチュ・フランセ日本のユーチューブのページにて御覧いただけます。

言語:日本語-フランス語

日本語でのご視聴は、アンスティチュ・フランセ日本の下記のユーチューブのページにて。

対談と同時にユーチューブ中継がはじまります。

https://www.youtube.com/user/instituttokyo/featured

 

フランス語でのご視聴は、アンスティチュ・フランセ日本の下記のフェイスブックページURLにて。

対談と同時にフェイスブック中継が始まります。

https://www.facebook.com/IFJTokyo

 

* 当日アンスティチュ・フランセ横浜にて、イベントのライブ配信も予定しています(入場無料/要予約/先着15名)。

 


作品

 

言語の七番目の機能  高橋 啓 訳   東京創元社

 

1982年、大統領候補ミッテランとの会食直後、交通事故に遭い死亡した哲学者で記号学者ロラン・バルト。彼の手元からはある重要な文書が消えていた。これは事故ではない。暗殺だったのだ! 捜査にあたる警視と若き記号学者の二人以外の主要登場人物のほとんどが綺羅星のごとき実在の人物たち。フーコー、デリダ、クリステヴァ、エーコ……。謎の秘密組織〈ロゴス・クラブ〉とは何か? フィクションと真実、言葉の持つ力について描いた傑作記号学ミステリ。

 

 

 

 

 

HHhH(エイチ・エイチ・エイチ・エイチプラハ、1942年) 高橋 啓 訳    
東京創元社

 

ナチスによるユダヤ人大量虐殺の首謀者で責任者であった、ライン・ハルト・ハイドリヒ。ヒムラーの右腕だった彼は〈第三帝国で最も危険な男〉〈金髪の野獣〉等と怖れられた。類人猿作戦と呼ばれたハイドリヒ暗殺計画は、ロンドンに亡命したチェコ政府が送り込んだ二人の青年パラシュート部隊員によってプラハで決行された。そして、それに続くナチスの報復、青年たちの運命……。ハイドリヒとはいかなる怪物だったのか? ナチスとはいったい何だったのか? 本書の登場人物はすべて実在の人物である。史実を題材に小説を書くことに、ビネはためらい悩みながら全力で挑み、小説を書くということの本質を、自らに、そして読者に問いかける。小説とは何か?

 

 

Civilizations

 

どのような条件があれば歴史上の事実がそうではないことになったのだろうか。アメリカ原住民が征服者たちに抵抗するには、三つのことが欠けていた。馬と鉄と抗体だ。それがあれば世界の全ての歴史はやり直しになる。Civilizations『文明』は書き換えられた16世紀の歴史である。インカ人がカール5世の支配するヨーロッパに上陸し、そこでいったい何を発見するのか。

スペインの宗教裁判所、ルターの宗教改革、資本主義の萌芽と印刷術の奇蹟。宗教、継承戦争で引き裂かれた大陸、しかしなによりも、蜂起の瀬戸際にある抑圧され、飢えた民衆だった。これは、ひっくり返されたグローバリゼーションの物語であり、結局のところそれが現実のこととなるには、ほとんど何もたいしたことは必要ではなかったことを語っている。

 

 

 

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  • 2020-10-31 - 2020-10-31
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