ラダック地方はインド、チベット高原、中央アジアの合流地点に位置し、要塞や寺院、磨崖仏や壁画、あるいは古い碑文と言った豊かな遺産が多く残っています。その高山と深い谷はありとあらゆる種族の商人や修道僧、軍隊や盗賊が通路として利用してきました。チベット人、トルコ人、モンゴル人、モン族、ダルド族あるいはカシミール人などがこのシルクロードの交差点でもある地域で争い、共存してきたのです。考古学者のカンタン・デヴェール氏、古チベット語文献研究者の西田愛氏、歴史・美術史家のニルス・マルタン氏の三氏より、ラダックの歴史と芸術についてお話いただきます。

当イベントの開催は西田愛氏による「西チベットにおける古チベット語岩石碑文の総合研究(JSPS KAKENHI:20H01327)」と、カンタン・デヴェール氏及びニルス・マルタン氏による「ラダック考古学調査」の協力により実現しました。

 

*日本語への逐次通訳付き。

* 要予約。予約先:オンラインブティックPeatix

 

Quentin DEVERS カンタン・デヴェール

 

カンタン・デヴェール氏(フランス国立科学研究センター)はラダック地方の遺跡(要塞、壁画、寺院等)の資料調査を主に行う。

現在この地域の遺産について全6巻の資料を随時出版しており、その最初の4巻はこの地域を徒歩で3,300kmと車で21,000km走破した調査結果を収録したものである。

 

 

Ai NISHIDA 西田 愛

 

西田愛氏(京都大学)は敦煌や東トルキスタンの古チベット語文献(主に古代チベット帝国の)についての研究が専門。

この分野の先駆的研究者であった武内紹人教授の研究活動への敬意を表し、それを受け継ぐ形でラダック地方の岩石碑文についての研究も含めて活動を進めている。

 

 

Nils MARTIN ニルス・マルタン

 

ニルス・マルタン氏(パリの東アジア文明研究センター)は8世紀から16世紀のラダックにおける仏教美術や古チベット語について研究。

その研究は、ワンラ群(14世紀)の壁画遺跡、エンサ・ストゥーパ(9世紀、ヒマラヤ西部最古)の壁画やラダックの当時の主要な碑文などを詳細に分析することにも及ぶ。

 

05
12
  • 2023-05-12 - 2023-05-12
  • 18:00 - 19:30
  • 入場無料
  • 0452011514
  • 横浜日仏学院
    尾上町5-76 横浜市中区