Nikolaos Gyzis ‘Historia’ (c.1892)
イヴァン・ジャブロンカ、『私にはいなかった祖父母の歴史』を語る
私は歴史家として、自分にはいなかった祖父母の足跡をたどる旅に出ました。彼らの人生は私の人生が始まるずっと前に終わっています。マテス・ヤブウォンカとイデサは私の身内でも、赤の他人でもあります。ポーランドでは共産主義者として、フランスでは不法滞在の外国人として、ヴィシー政権下ではユダヤ人として、彼らは生涯にわたり日陰の生活を送りました。彼らは、スターリニズム、危機の到来、第二次世界大戦、ヨーロッパにおけるユダヤ人虐殺といった、二十世紀の悲劇の波にさらわれたのです。
この本を書くために、私は二十もの資料室を調査し、フランス、ポーランド、イスラエル、アルゼンチン、アメリカで多くの証人に会いました。私は、つとめて客観的であろうとしたというよりもむしろ、できるかぎり厳密に距離を取ること、そしてできるかぎり全力を尽くすことを心がけました。
こうして私は「ショアーの子供」になりました。それは、子供時代に、どんなやり方であれ、開戦から今日にいたる大量虐殺の影響を受けた個人のことです。トラウマの相続者、記憶の運び屋のことです。歴史に貫かれた人間、人格に二十世紀の犯罪行為を刻印され、それなしでは人格を理解できないような人間のことです。
6月27日(木) 講演会 16:30~18:30 サイン会 18:30~19:00
アンスティチュ・フランセ関西ー京都 稲畑ホール
入場無料 逐次通訳付
主催:京都大学人文科学研究所、アンスティチュ・フランセ関西
協力:南山大学外国語学部フランス学科
06
27
- 2019-06-27 - 2019-06-27
- 16:30 - 19:00
- 入場無料
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アンスティチュ・フランセ関西 稲畑ホール
〒 606-8301
左京区吉田泉殿町8 京都市 京都府