© Lilies Films.

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アンスティチュ・フランセ関西は、フランス映画をさらに身近に感じてもらい、様々な企画を通してフランス映画に親しんでもらうために、京都シネマと文化交流協定を締結しています。
京都シネマでは、クラブ・フランス会員証(有効期限内のもの)のご提示により、下記の映画を割引料金にてご覧頂くことができます。
www.kyotocinema.jp

 

『燃ゆる女の肖像』
12/4(金)-12/30(木)
PG12/Portrait de la Jeune Fille en Feu/2019/仏/122分/監督:セリーヌ・シアマ/出演:アデル・エネル、ノミエ・メルラン、ルアナ・バイラミ、ヴァレリア・ゴリノ

“Female Gaze=女性のまなざし”という視点から撮られた愛の物語。歴史という公式に語られる道の上で姿を消されてしまった女性たちのもうひとつの物語が、時を超えて描き出される。
舞台は18世紀、ブルターニュの孤島。結婚を拒む貴族の娘エロイーズと、見合いのための肖像画を描くことを依頼された画家マリアンヌ。ふたりのあいだで、静かに燃え上がる愛の炎、そして中心的な立ち位置から遠ざけられがちな女中の娘や階級、歴史を重層的に驚くほどの美しさで描き切る。『キャロル』を彷彿とさせる視線の行き交い、カメラを通して見つめる視線が素晴らしく、中盤からクライマックスへ加速する情熱に観客の身も焦がされる。そして、ラストまで見届けたわたしたちは、あまりの哀しさと幸福感というアンビバレンスな感情に身を引き裂かれる思いで劇場を後にするのだ。そもそも、美術史という歴史のなかでは、女性は見られるものとして描かれ、女性が見るという視点は殺されてきたという過去がある。その点に着目し、“Female Gaze”という視点を新たに誕生させたこの物語は、映画史においてマスターピースになるだろう。

『バルタザールどこへ行く』『少女ムシェット』
ロベール・ブレッソンの代表作『バルタザールどこへ行く』『少女ムシェット』2作がデジタルリマスター版で蘇る。ロベール・ブレッソンは、1966年に『バルタザールどこへ行く』を発表した翌年の1967年、矢継ぎ早に『少女ムシェット』を完成させた。2作はほとんど双子のような作品である。ぜひ2作そろって観てほしい。

『バルタザールどこへ行く』
12/18(金)-1/7(木)
Au Hasard Balthazar/1966/仏、スウェーデン/96分/監督:ロベール・ブレッソン/出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー、フランソワ・ラファルジュ、フィリップ・アスラン、ナタリー・ジョワイヨー
“聖なるロバ”バルタザールをめぐる寓話で、一匹のロバと少女マリーの数奇な運命を描き出す。マリーを演じるのは、当時17歳のアンヌ・ヴィアゼムスキー。のちに『中国女』などジャン=リュック・ゴダールの作品に数々出演する彼女のデビュー作であり、作家として活躍した彼女は、著書『少女』で本作の撮影期間のことを振り返った小説を書き、ブレッソンがアンヌ・ヴィアゼムスキーに向ける愛情が話題にもなった。一方、映画では常に緊迫感が画面にあふれ、崇高な悲劇を美しくも冷酷に映し出す。いまもなお多くの映画人たちを魅了しつづける一作だ。

『少女ムシェット』
12/18(金)-1/7(木)
Mouchette/1967/仏/80分/監督:ロベール・ブレッソン/出演:ナディーヌ・ノルティエ、ジャン=クロード・ギルベール、マリー・カルディナル、ポール・エベール
『バルタザールどこへ行く』の直後に手掛け、またも少女ムシェットの、孤独でみじめな運命をまざまざと描き出した問題作。カトリックの作家ジョルジュ・ベルナノスの小説にあった冷酷さを忠実に映画化している。前半、ムシェットを呼ぶ様々な声に導かれ、彼女の声が発せられる瞬間をいまかいまかと待ち望むわたしたちは、後半でようやく彼女の言葉の到来に遭遇する。思いもしなかったムシェットの声!そして、映画は一気に彼女の悲惨さ極まるラストに向かっていく。ベルイマンやタルコフスキー、ジャームッシュら多くの映画監督を魅了し、映画史に残る名場面として今も語り継がれている。

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  • 2020-12-04 - 2021-01-07
  • 00:00
  • 1800円、クラブ・フランス会員1500円(同伴者2名まで)
  • 075-353-4723
  • 京都シネマ
    〒 600-8411
    下京区烏丸通四条下る西側 COCON烏丸3F 京都市