フランス国立自然史博物館(パリ)と京都大学の研究者は長期にわたり協力を重ねてきました。長年の共同研究の成果を日本の皆さんと共有するために、「ヒトと動物の共生を考える:交差する視点」と題したイベントを開催します。動物行動学、人間生態学、文化あるいは遺伝の観点から、さまざまな社会とそのダイナミクスについて皆さんと考えていきます。

目下の健康危機、気候変動、生物多様性の喪失、人口移動などにより、社会で生きるということが何を意味するのか、既成概念を超えた深い考察が求められています。他の多くの動物種と同様に、ヒトは本質的に社会性と適応能力を持っていますが、両者がうまく共存し続けていくための課題は無限にあります。


ラウンドテーブル1では、ヒト社会とさまざまな動物種の社会について実施された研究成果をもとに、特に情報伝達(真の情報と偽の情報)や疫病の伝播(現在の新型コロナウイルス感染症)において、私たちの社会生活がいかに影響を受けるかを紐解いていきます。

ラウンドテーブル2では、クラン(血縁集団)や、協力あるいはコミュニケーションネットワークを個々がどのように形成していくか、ラウンドテーブル3では性的・友好的関係を結ぶ相手をどのように選択するかを検討します。本イベントでは、社会的存在とは何かを肯定的な側面(協力)と否定的な側面(競争)から問い、個人と集団が各々の居場所を得ながら、多くの現代的変化に適応しうる社会のモデルについて考えていきます。

上記討論会を通して、研究者と会場の皆さんの「視点を交差」していただいたあとには、京都大学前総長で霊長類学者の山極壽一教授による一般向けの講演会京都市動物園でのワークショップなど、フランス国立自然史博物館と京都大学が行う研究を楽しく分かりやすく解説する企画も予定されています。
本イベントは全て同時通訳(日本語・フランス語)付きで開催されます。

 

開催日:2022年11月19日(土)・20日(日)
会場:アンスティチュ・フランセ関西ー京都、京都市動物園

同時通訳(日本語・フランス語)付き
参加無料(事前申込み不要)

共催:フランス国立自然史博物館(パリ)京都大学京都市動物園
協力:アンスティチュ・フランセ関西

お問合せfuruichi.takeshi.7m@kyoto-u.ac.jp

プログラム

11月19日(土)午後

会場 : アンスティチュ・フランセ関西‐京都

14時~15時半 ラウンドテーブル 1:情報と疾病の社会伝播-代償と利益を考慮しながら、いかに社会的でありうるか

コミュニティーやグループ内外において個々人が形成する社会的関係について考察し、新型コロナウイルス感染症の世界的流行で明らかになった、社会生活とは切り離せない代償(感染リスクなど)と利益(幸福度や成功など)について議論します。

登壇者:

–       フランス:ジュリー・デュボスク(フランス国立研究科学センター・フランス国立自然史博物館)

–       日本:アンドリュー・マッキントッシュ(京都大学)、井上漱太(名古屋大学)

司会:ルカ・モリノ(フランス国立自然史博物館)

15時半~16時 コーヒーブレイク
16時~17時半 ラウンドテーブル2:交錯する視点 ‐協力とコミュニケーション・ネットワークのダイナミクスをめぐって

ヒト社会や動物社会におけるクラン(血縁集団)や、その他の社会的ネットワーク形成の根底にある生物学的・社会的親族関係について議論します。

登壇者:

–       フランス:ラファエル・シェ(フランス国立研究科学センター・フランス国立自然史博物館)

–       日本:古市剛史(京都大学)、石塚真太郎(東邦大学)

司会:太田博樹(東京大学)

11月20日(日)午前中

集合場所:京都市動物園正門エントランス前

10時~12時 京都動物園見学とワークショップ

討論会で取り上げられた要素を具体的に確認するために、小グループでの見学会を開催します。この京都市動物園でのプログラムは、日仏の研究グループが研究対象としている霊長類を日本の皆さんに実際に目で見ていただき、各々の研究に関して研究者に直接話を聞ける機会になります。

ガイド:ジュリー・デュボスク(フランス国立研究科学センター・フランス国立自然史博物館)、 ルカ・モリノ(フランス国立自然史博物館)、内藤アンネグレート素、新井花奈(ともに京都大学)、石塚真太郎(東邦大学)

11月20日(日)午後

会場:アンスティチュ・フランセ関西‐京都

14時~15時半 ラウンドテーブル3:社会的パートナーの選択-相手を選ぶ理由と結果

友人や恋人の選択に関わる、生物学的・文化的な要因について議論します。

登壇者:

–       フランス:セシル・ガルシア(フランス国立研究科学センター・フランス国立自然史博物館)、ラファエル・シェ(フランス国立研究科学センター・フランス国立自然史博物館)、ルーシー・リゲイル(レンヌ第1大学)

–       日本:太田博樹(東京大学)、横山拓真(京都大学)

司会:橋本千絵(京都大学)

15時半~16時 コーヒーブレイク
16時~17時半 山極壽一教授(霊長類学者、京都大学前総長)による講演会
17時半~19時 カクテルパーティ

 

        

 

 

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  • 2022-11-19 - 2022-11-20
  • 00:00
  • 入場無料
  • アンスティチュ・フランセ関西―京都
    〒 606-8301
    吉田泉殿町8 京都市左京区 京都府