京都国際フランス学園の生徒達が、エリック・フォールの近著『50 histoires de yōkais(仮訳:妖怪についての50のお話)』から想像を膨らませて制作した展覧会「子ども達によるモノの反乱」も開催します(11月21日~12月12日)。

「子ども達によるモノの反乱」展は、エリック・フォールと重森三果による「百鬼夜行」公演を鑑賞した京都国際フランス学園の生徒達の手による、多彩な作品を集めた展覧会です。

地域の民話や大衆文化によって日々想像力を養っている子ども達にとって、妖怪は馴染みのないものではありません。エリック・フォールと重森三果が描いた妖怪たちは、妖怪が誕生した遥か昔より、現代的な問いを子ども達に投げかけることとなりました。

百鬼夜行が物語るように、生活で使う様々な物、家具、道具、調理器具、食器類などは、家から追い出され、忘れ去られたり腐ったりしてしまうと、怒りや復讐に駆られた妖怪となってしまいます。そのため、この巨大なゴミと、現代において環境をますます脅かす廃棄物が、子ども達にはたやすく結びついたのです。

また、三年生のクラスの子ども達は、ほとんどの宇宙機関が古くなった航空機や人工衛星の破片を、数十年前より海に捨てていることを学習しました。そして、この”ポイント・ネモ”の水中汚染を表現したアート作品を作ったのです。こうして、爪や触手を持って水面に上がってくる恐ろしい宇宙の船に命が吹き込まれました…。

一年生のクラスは、日常生活で使う物に人形の手足などを移植して、キーホルダーやペットボトル、流し台のモンスターを作り出しました。

美術部の生徒達と六年生は、捨てられた物が命を吹き込まれ、新たな属性を持って動き出し、元の持ち主に復讐する方法について考えました。彼らのアニメ「モノの反乱」は、伝説の「百鬼夜行」を新しい解釈で表現しています。

小学三年生のクラスが中学生と一緒になって注目したのは、子ども達が捨てたり、壊したり、可愛がったりする不思議なオブジェ、「おもちゃ」です。ゴミ箱行きの古いおもちゃを集めて、様々な切断、移植、異種交配の実験を行い、子ども達は不穏でグロテスクな顔をしたモンスターのコレクションを作り上げました。

この展覧会のオープニングでは、エリック・フォールと重森三果が再び「百鬼夜行」を語ります。その昔、百話の怪談を語り終えると、物の怪が現れるとされていました。この日、幼稚園クラスの園児が生み出す妖怪が、皆さんの前に現れてもおかしくないのです…。

こうして、アンスティチュ・フランセ関西のメディアテークには、京都国際フランス学園の生徒の皆さんによって作られた、空想上の生き物が集まりました。そこでは、遊びのような感覚で、過去のイメージと現代の問題が結び付けられ、混じり合っています。

助成 : 笹川日仏財団
協力 : 京都国際フランス学園、ラルマタン出版社

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  • 2021-11-21 - 2021-12-12
  • 00:00
  • 入場無料
  • アンスティチュ・フランセ関西―京都
    〒 606-8301
    吉田泉殿町8 京都市左京区 京都府